ビジネス

2021.07.04 07:00

楽観主義広がるNY、パンデミックを経て「より強靭な都市」に


一方、民間セクターでは、不動産への投資が継続中だ。ニューヨークでは、賃貸物件の需要がきわめて高い。投資家たちは、新規物件の購入であれ既存物件への投資であれ、ニューヨークを強靭さの増した新しいかたちで取り戻そうというこのチャンスに、すばやく乗じようしている。

インフラ投資が都市に与えうる影響の強さと範囲については、歴史と研究が証明している。公共インフラへの支出をうまく行えば、都市の消費者とビジネスは共に生産性が増し、GDPはもちろん、雇用も拡大する。

イノベーションが生まれやすい下地が整った


やるべきことは山積みで、超えるべきハードルも多々存在する。深刻な人不足が、人員増加と営業再開を目指すビジネスの前に大きく立ちはだかっている。その上、米連邦政府による景気刺激策の拡大は、景気過熱のリスクを上昇させ、長期のインフレを招く可能性がある。

とはいえ、多くの人が依然として不安を表にあらわしているこの時期、ビジネスにとっては、このリセットを活かすチャンスが数多く存在する。過熱していた不動産価値が低下したことに加え、市民や企業がデジタル依存度を高めたことで、新しいレベルを設定する環境が生まれた。それにより、イノベーションが生まれやすい下地が整っている。


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ニューヨークは前進する用意ができており、年内には力強い姿を見せてくれるはずだ。この都市の住民やビジネスは、桁外れの粘り強さと順応力、革新性をもって、パンデミックに立ち向かう姿を私たちに見せてくれた。筆者に言わせれば、積極的に動こうという人にとって、ニューヨークには計り知れないチャンスが秘められている。誰もが言う通り、「ニューヨークで成功できれば、どこへ行っても成功できる」のだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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