コロナ後遺症が「半年以上」続く 若年層の感染者で半数以上

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ノルウェーの研究チームが発表した最新研究で、新型コロナウイルスに感染したが入院するほどではなかった16歳から30歳までの若年層のなかに、感染から6カ月が経過しても後遺症が続く場合があることが明らかになった。症状としては、長引く呼吸困難(息切れ)や、味覚障害、嗅覚障害、倦怠感、集中力の低下、記憶障害などがあるという。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染初期には呼吸器に影響が出るが、実際には複雑な病気であることが明らかになりつつある。新型コロナウイルスは呼吸器だけでなく、心臓血管系や腎臓、血液、胃腸、中枢神経にも影響を及ぼすためだ。

肺の線維化による肺機能障害が長引くことを示す科学的証拠が出てきているが、新型コロナウイルス感染者がほかの臓器に及ぼす長期的な影響を見きわめるにはさらなるデータが必要だと、多くの科学者は主張している。

ノルウェーにあるベルゲン大学のビョルン・ブロムベルグ(Bjørn Blomberg)をはじめとする研究チームは、6月23日付けの生物医学ジャーナル「Nature Medicine」で発表した研究論文のなかで、以下のように述べている。

「新型コロナウイルス感染症で重症化した後に回復した患者には、さまざまな後遺症が出ており、Long COVID syndromeと呼ばれる後遺症の存在が提唱されている。ただし、後遺症の重篤さやその持続期間については明確にはなっていない」

軽症から中等症の患者については、長期的な後遺症はまだ明確に定義されていないと、ブロムベルグらは補足している。

61%に半年後も後遺症


研究では、ノルウェーの都市ベルゲン在住者で、コロナ第一波で感染した患者312人について、感染から6カ月が経過しても続いている後遺症を調査した。312人のうち247人は自宅療養者だった。残りの65人は、軽症から中等症と診断を受け、2カ所の医療機関(ハウケランド大学病院とハラルドスプラス・ディーコネス病院)に入院していた。

調査対象となった患者は、51%が女性で、年齢中央値は46歳だった。44%(312人中137人)は併存疾患があり、最も多かったのは慢性肺疾患と喘息だった。入院患者は、自宅療養患者と比べて年齢が上で、BMIも高く、慢性心疾患や高血圧症、糖尿病などの併存疾患があった。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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