子供が接種するコロナワクチン、親に「選択」は必要か?

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米食品医薬品局(FDA)は5月10日、米ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可の対象年齢を、12歳以上とすることを承認した。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では同日以降、すでに12~15歳の子供450万人以上が初回のワクチン接種を受けている。

ただ、これから子供に接種を受けさせたいと考えている米国の親たちは、近く新たな選択肢を前に悩むことになるのかもしれない──。それは、米モデルナが6月初め、FDAに12歳以上の子供への緊急使用許可を申請したためだ。FDAは間もなく、使用を認めるとみられている。

こうした中、モデルナ製ワクチンについて、親たちが知っておくべきことはどのようなことだろうか?

アリゾナ州フェニックスにあるフェニックス・チルドレンズ・ホスピタルのワシム・バラン医師によると、12〜17歳を対象に行われたモデルナの臨床試験には、3235人が参加。有効性は96%だったことが確認された。また、12~15歳の2260人が参加したファイザーとビオンテックの臨床試験では、有効性は100%だったという。

一方、カリフォルニア州オレンジ郡にあるファミリーズ・トゥゲザー・オブ・オレゴン・カウンティのメディカルディレクター、ローウェル・ゴードン医師は、これら2種類のワクチンについて、「臨床試験の結果はほぼ同様で、特に感染後の重症化を防ぐ効果については、非常によく似ている」と説明。(モデルナ製が承認を得た後も)子供のためにワクチンを「選ぶ必要はない」と述べている。

「ファイザーとモデルナのワクチンはどちらも、メッセンジャーRNA(mRNA)という同じ技術を使用しています」

「科学的には、有効性にも副反応にも、ほとんど違いはありません。受けられる方のワクチン接種を受けることをお勧めします」

これについては、バラン医師も同意見だ。

なぜ子供にも接種が必要?


「成人ほど強い影響を受けていない」子供たちには、新型コロナウイルスのワクチン接種は必要がないと考えている親たちもいるかもしれない。だが、専門家らは、そうした見方に警鐘を鳴らしている。
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編集=木内涼子

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