イテラブルは、2013年にAndrew BoniとJustin Zhuによってサンフランシスコで設立された企業で、企業がハイパーターゲティングメッセージやメール、プッシュ通知などをユーザーに配信することを支援している。Calmなどのスタートアップの他、ドアダッシュ、フェンダーギター、Zillowなどの大手企業が同社のサービスを利用している。
イテラブルは、毎月数百億件のメッセージを配信し、世界中で30億人のユーザーにリーチしている。同社の評価額は、20億ドルに到達した。
今回のラウンドには、Silver Lake、Adams Street Partners、Glynn Capital、DTCPの他、既存株主であるCRVやViking Global、Blue Cloud、Capital One Venturesが参加した。
先月CEOに就任したBoniによると、イテラブルは今後2年以内にIPOを目指しているという。
「このタイミングで資金を調達する必要はなかったが、環境が良いときにしておこうと考えた。昨年は、パンデミックで環境が大きく変わったが、こうした事態に備え迅速に資金を調達し、事業に専念したいと思った」とBoniは話す。
今年に入り、スタートアップ投資は世界的に活況を呈している。Crunchbaseによると、2021年第1四半期の投資額は1250億ドルに達し、2020年第4四半期に比べて50%、前年比では94%増加した。
他のマーケティングテクノロジー企業も、この数週間で資金調達を実施している。ロケーションマーケティングを手掛ける「Uberall」は6月15日、シリーズCラウンドで1億1500万ドルを調達し、その前週にはコンテンツマネジメントプラットフォーム「Contentstack」がシリーズBラウンドで5750万ドルを調達した。
Boniは、かつてグーグルでアドセンスのソフトウェア開発を担当していたときにイテラブルの事業プランを思いついたという。
「メールやプッシュ通知、アプリ内のキャンペーンをローンチするときは、毎回エンジニアと密接に協業しなければならなかった。グーグルのようなテック業界の大手でリソースが無尽蔵にある会社でこのような問題があるのであれば、他の企業でも似た問題があるに違いないと考えた」とBoniは話す。