イテラブルは当初、資金調達を4月中旬に発表する予定だったが、共同創業者のZhuが従業員規定や会社の方針、価値観に違反したとして、同月下旬に彼を解雇した。ブルームバーグビジネスウィーク5月号の中で、Zhuは解雇の理由について次のように述べている。
創業者は「アジア人差別で追放」と主張
「私は、2019年に会議の開始前に集中力を高める目的でLSDを摂取した。ごく少量を摂取するつもりが、誤って多く服用してしまった」。また、同じ頃に行われたテレビインタビューでは、「CEOやリーダーとして私は優れたパフォーマンスを発揮した。解雇理由にはパフォーマンスに関するものはなく、私のスタイルや価値観に関するものばかりだった」と語っていた。
Zhuにコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。彼の弁護を務める法律事務所Nassiri & Jung LLPのCharles H. Jungは、声明の中で次のように述べた。「Zhuはイテラブルのカルチャーを今でも愛している。しかし、今の米国ではアジア人差別が横行し、IPOを控えた企業では、東アジア系のCEOを白人のCEOに交代するケースが増えている」
イテラブルは、Zhuがメンタルヘルスの問題の治療薬としてLSDを1度使ったことを明らかにした直後に、彼を突然解雇したという。Jungはその背景にアジア人差別があったことを示唆した。
BoniへのシリーズEラウンドに関するインタビューの最中にZhuの追放について尋ねると、同じくアジア系米国人であるBoniは次のように答えた。
「当社には、従業員規定と行動規範があり、私を含めて全従業員はそれに対して責任を持たなければならない。Zhuは規範に違反したため、彼を解雇した。非常に難しい判断だったが、イテラブルの将来性に対してはとても楽観視している」