挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

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「日本のおもてなしは、確かに素晴らしいと思います。でも決して自画自賛するのではなく、世界基準のホスピタリティとは何かを常に問うていきたい」

2013年9月7日。国際オリンピック委員会(IOC)で東京招致のためのスピーチに用いられ、一気に世界へと広まった「おもてなし」という言葉。日本独自の文化としてサービスにも活かし、世界に打って出ようとする国内企業は少なくない。

チャットボットを中心としたコミュニケーション技術を通じて「おもてなし革命」に挑むジールスもそのうちの1社である。

前の発言の主であり、本ストーリーの主人公・渡邉雄介は、2021年4月、ジールスへの入社を決めた。

大手企業出身者や公認会計士、そして弁護士──同社に各界の猛者が集まる中、渡邉もまた、輝かしい経歴の持ち主だ。

東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)、JPモルガン証券、モルガンスタンレー証券、シーザーズ、ラスベガスサンズ......渡邉のプロフィールには、錚々たる企業の名が躍る。今回の転職にあたっては、これまで共に戦った盟友や同業者からのオファーが絶えなかったというが、なぜジールスを選んだのか。

「投資する価値があると確信したからです。投資銀行出身者は、自分が投資したいと思う会社にしか興味を持たないし、ましてや転職なんか絶対にしません」

彼が考える“投資価値のある企業”とは。

金融から統合型リゾート誘致へ。「日本になかったものを持ち込む」


渡邉ほど、“挑戦者”という言葉が似合う人物も珍しいだろう。

例えば、銀行員時代。米国へ社費留学したものの、途中で退職。学費や住居費などの一切を銀行側に返金し、自費でMBAを取得することを選んだ。

「周囲を見渡してみると、社費で留学しているのなんて日本人ぐらいで、次第に『本当にこのままでいいのか』という思いが募って。結果、2000万円ほど借金を背負うことになりましたが、MBAを取得すれば必ず返せる額だと腹を決めました」

MBA取得後は、投資銀行へ。JPモルガン証券、モルガンスタンレー証券に通算9年間在籍し、金融機関や総合商社、ファンド向けの資金調達やM&Aアドバイザリー案件など、幅広い業務に携わった。

そして2017年。統合型リゾート(IR)推進法が国会で可決されたことを受けて、日本に進出したシーザーズに入社。日本法人1人目の社員として、拠点づくりをゼロから行なった。

渡邉は米国に留学していた2006年から、ビッグデータマーケティングの先駆けとなったカジノビジネスに注目していたという。

「加えて、IRが“日本史上最大の不動産開発案件”という点にも非常に惹かれました。投資額は約1兆円、『これまで日本になかったものを持ち込む』という理念のもと、超一流のホテルやエンターテインメントを誘致する......関係者は皆、それなりの気概を持って業務に取り組んでいましたね」

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その後、同業であるラスベガス・サンズへ移籍し、コンソーシアム交渉のための開発計画、事業・投資計画の策定、建築計画の立案、ロビイング活動など幅広い業務を統括したが、同社の日本撤退を受け、あえなく身を引くこととなった。

しかしIR事業の経験は、彼に大きな示唆を与えた。ジールスが展開する事業の根幹を支えるチャットボットの“可能性”に触れたのは、まさにこの時期だったのだ。

「ラスベガス」で、チャットボットの限りなき可能性に触れる


「ラスベガスでは、全7000室のホテルでも97%の稼働率で回すのが通常。日本のホテルと比べたら、想像を超える世界ですよね。

そこで繰り広げられる複雑なオペレーションは、さまざまなケイパビリティ(組織的能力)によって支えられています。依然としてオフラインでのホスピタリティを重視する業界ではあるのですが、一方でデジタルを取り入れながらオペレーションを効率化させる動きもあって。

その施策の1つがチャットボットだったんです。例えば、『タオルを換えたい』『ルームサービスを頼みたい』というようなオーダーを、チャットボットでスピーディに応えていく、というような」

エージェントからジールスを紹介された時、渡邉の脳裏にはこのラスベガスの事例がすぐに思い浮かんだ。

「時代と共に、顧客満足度の指標はモノからサービスへと移り変わっていきました。そして今は“体験”こそが、顧客満足度を高め、経済価値になると言われています。いわゆるエクスペリエンスエコノミーですね。

インターネットが普及した現代では、ブランドの良し悪しや他の選択肢が瞬時にネット上で示されてしまいます。特定のブランドでマイナスな顧客体験をした場合、1回目でユーザーの約50%が、2回目では約80%が他のブランドに乗り換えると言われています。このエクスペリエンスギャップを埋められるのが、チャットボットなんじゃないかと常々考えていたんです」

例えば、美容室。カットしてもらった後、多少違和感があっても、つい「大丈夫です」と答えてしまうことはないだろうか。チャットボットはそのギャップをも埋められる、と渡邉は断言する。

「来店した1週間後に『今回のカット、いかがでしたか』と美容師さんからチャットが来たら、まず気が利いているな、と思いますよね。その上対面じゃないから、『実はこうだった』と本音も言いやすい。

このワン・コミュニケーションで、ユーザー側のエンゲージメントを向上させると共に、事業者側には貴重なデータをもたらすことができるんです。実にユニークな技術だと思いませんか」

「シロとクロの間を埋める」ことが自分の役割


チャットボットを軸に事業展開するジールスに成長可能性を感じ、入社を決めた渡邉。同社は2014年の創業時から世界進出を見据えた組織づくりに邁進してきた。世界に精通するハイレイヤー層やスペシャリスト人材が続々とジョインしているほか、エンジニアチームの外国人比率は約8割と高く、その国籍は20カ国にも及ぶ(2021年6月現在)。

血気盛んとも言えるこのスタートアップで、渡邉は新部署となるコーポレートストラテジーを立ち上げた。国や人種を越え、大小さまざまな交渉事に立ち合ってきた彼が、いつも心に留めているのが「シロとクロの間を埋める」という言葉だという。

「例えば、海外で一流と言われる弁護士は、自分の意見をむやみやたらに押し付けません。社会がどんどん複雑さを極めていく中、安易にシロクロつけられるほど物事はそんなに単純ではない。真理は“シロとクロの間”にあるんです。

投資銀行時代に私が体得したのは、各企業の状況を俯瞰して見る力。そして適切な論点を見つけ出し、複数の解決策を提示する力です。シロクロはっきりさせるのではなく、どの策にも必ず存在するプラス、マイナス面をそれぞれ明確にしながら、グレーの中で落としどころを決めていく。それが私たちの役割でした」

ジールスでも同様に、多くの選択肢、メリット・デメリットを出し切りながら、タイミングに適した経営判断を促していきたい、と渡邉は意気込む。

「外資系企業を渡り歩いてきたからこそ、変に日本寄りにならずに、冷静かつ多角的に物事を見つめることができる。それが自分の強みなんだと自負しています。だから、冒頭に触れた『日本のおもてなし』についても少しだけ懐疑的なんです。

一方で、ホスピタリティに対する関心は人一倍あります。実は私、大学時代にホテルマンを志していた時期があったんですよね。だからこそ、カジノ業界にも惹かれたし、ジールスが掲げる『おもてなし革命』についても他人事には映らなかったんだと思います」

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ラストワンマイルを突き詰める“好奇心”で、人生は大きく変わる


今、渡邉は自らのチーム作りに奔走している。

「誤解を恐れずに言えば、人の能力って地頭の良さではなく“育つ環境”に左右されると思っているんです。ここで言う環境とは、一緒に働く仲間のこと。私自身もこれまで諸先輩方に厳しく鍛えられてきて、時にしんどいと思うこともありましたが、今となっては感謝しかない。そのくらい人の影響力は絶大です。

ですが、人から人へ教えられないこともある、と感じていて。

それは、好奇心の持ち方です。例えば、翌朝にプレゼンを控えた夜、ほぼ完成した資料に、どれだけ手を加えられるか。内容の厚みや深みを追求できるかは、本当に人それぞれだと思うんです。『この部分はまだ不明瞭だから、もう少し調べてクリアにしておこう』とか。

こうした“最後の一歩”の積み重ねが、やがて人生を大きく変えるんですよね」

彼がジールスに惹かれた理由は、チャットボット以外にもう1つある。知的さとエネルギッシュさを兼ね備えた代表・清水正大の魅力だ。

「彼には事業や組織づくりに対する情熱、そして物事への好奇心があります。だから調査にも手を抜かないし、人と会う時は一秒も話を聞き逃さない。情熱と知性を併せ持つそのギャップに惹かれました」

好奇心の持ち方は教えられない、と渡邉は言ったが、果たして本当にそうだろうか。筆者はこれまで6名の中枢メンバーに話を聞いてきたが、皆ラストワンマイルを考え抜く人物ばかりであった。

ジールスならば、働く環境から人の好奇心を育てることができるのかもしれない。

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