国有企業である中国運搬ロケット技術研究院(China Academy of Launch Vehicle Technology)の王暁軍(Wang Xiaojun)院長は24日、中国が2033年、2035年、2037年、2041年、2043年に火星に有人探査機を送り込む計画であると会議で発表した。
中国は最終的に、火星に恒久的なプレゼンスを築き、地球との間に宇宙船を往復させながら、大規模な資源開発を行うこと想定していると王院長は述べた。また、有人飛行に先立ち、基地となりうる場所の偵察や、地表のサンプル採取、資源採取に用いる機器の製作などを行うロボットミッションが実施されるという。
今回の発表により、米中の宇宙開発競争はさらに激化する見通しだ。中国は5月に、米国以外では唯一、火星で探査機を走行させた国となり、6月17日には宇宙ステーション「天宮」に向けて宇宙飛行士3人を乗せた宇宙船「神舟12号」を打ち上げた。
米国のNASAは、2030年代の有人火星着陸の実現を目指している。
中国は、将来的に「宇宙での主導権を握る」と繰り返し公言しており、火星への進出に加えて、ロシアと共同で月面に基地を建設し、米国が主導する国際宇宙ステーションISSに匹敵する独自の宇宙ステーションを建設する計画を立てている(米国は、中国がISSに関与することを禁止している)。
さらに中国は、米国が所有するGPSに対抗する独自の衛星システムを打ち上げる計画だ。中国は、宇宙における軍事的優位性の獲得も視野に入れている。
中国の宇宙への進出は、その危険で無責任な行動が批判を浴びることも多い。5月には、中国が宇宙ステーションの一部を打ち上げるために使用したロケットブースターが、軌道上でしばらく過ごした後、地球に墜落したが、宇宙ゴミの問題は特に懸念されている。