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コンサルタント企業ウィリス・タワーズワトソンが2021年6月15日に公開した新たな調査結果によれば、米国の雇用主の72%は、職場への出勤再開に先立ち、新型コロナワクチン接種を義務づけるつもりはないと答えたという。

現在、世界中で変異株の存在感が増していることから、多くの専門家は、迅速で十分なワクチン接種が行われず、対応が間に合わないのではないかと危惧している。

会社が従業員に対して、新型コロナワクチン接種を義務づけることは可能なのだろうか。また、そうすべきなのだろうか。その答えがイエスにしてもノーにしても、それはどのような結果を伴う可能性があるのだろうか。

専門家が直面しているきわめて重要な問題のひとつが、職場におけるワクチン接種の義務づけをめぐる法的責任の問題だ。

賛否どちらの陣営の学者も、米雇用機会均等委員会(EEOC)が2021年5月付けで更新した指針には等しく困惑した。これによれば、「連邦政府の雇用機会均等(EEO)法は、雇用主が実際に職場に入るすべての従業員に対して、新型コロナワクチン接種を義務づけることを妨げるものではない。そうした義務づけは、公民権法第7編および『障害をもつアメリカ人法(ADA)』の合理的配慮条項、および以下に述べるその他のEEOの考慮事項の対象となる」という。

EEOCはこう続けている。「一部の状況においては、公民権法第7編とADAは雇用主に対して、障がいや真摯な信仰、慣習、伝統順守を理由に新型コロナワクチン接種を受けていない従業員に対して、合理的配慮を適用することを求めている。ただし、配慮の適用により、雇用主の事業運営において不当な困難が生じる場合は例外とする」

EEOCによるそうした公式な後押しはあるものの、政府お墨付きの指針や法律があるからといって、その法律が今後、無効になったり異を唱えられたりしないわけではないことは、認識しておく必要がある。

実際のところ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とそれに伴うあらゆる問題に関する訴訟は、今後10年間で、数千件とは言わないまでも、数百件にのぼることは予想がつくだろう。その多くが職場の問題に絡むものになることは、疑いようがない。

企業が戸惑っているポイントは単純だ。ワクチン接種を義務づけたら、従業員はどう反応するだろうか。EEOCの指針にもかかわらず、従業員は不満に思うのではないか。

そして、企業がワクチン接種を義務づけず、その判断を従業員に完全に委ねた場合は、どのような結果を伴うのだろうか。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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