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2021.06.24

成層圏気球で「ほぼ宇宙」に向かうツアー、1400万円で販売開始

(c) Space Perspective

宇宙ツーリズム分野では、ブルー・オリジンやヴァージン・ギャラクティック、スペースXらがしのぎを削り、ジェフ・ベゾスは間もなく初飛行に挑戦する予定だ。しかし、これらの企業よりもずっと低いコストで、宇宙への旅を実現しようとする企業がある。

その一つが、フロリダ州に本拠を置く「スペース・パースペクティブ(Space Perspective)」だ。同社は6月23日、高高度気球によって浮上する宇宙船ネプチューンワンで、地球の大気圏縁に向かうツアーの予約受付を開始すると発表した。同社の宇宙船が向かう上空30kmの領域は、厳密には宇宙ではないが、周囲は暗く地球が丸いことが実感できる「ほぼ宇宙」に相当するエリアだ。

気になる価格は、一人あたり12万5000ドル(約1390万円)とされている。

これでも一般人には高すぎる価格かもしれないが、ヴァージン・ギャラクティックが販売済みの宇宙旅行が20万〜25万ドルであるのに比べれば、かなり安い。また、ブルーオリジンが7月20日に予定する宇宙ツアーのチケットは、オークションで2800万ドルで落札された。

スペース・パースペクティブは、今回の予約開始のアナウンスと同時に、6月18日に初飛行に成功したことを発表した。6時間39分のテスト飛行の間、ネプチューンワンに搭載されたカメラは素晴らしい日の出の映像を撮影した。

同社のフライトでは、ヴァージン・ギャラクティックやブルー・オリジンなどが提供するごく数分間の宇宙体験ではなく、約2時間もの間「ほぼ宇宙」からの眺めが楽しめる点がメリットだ。

スペース・パースペクティブは、遅くとも2024年の第4四半期には商業オペレーションを開始する計画だ。まだ先の話に思えるが、ここ数年の他社の動きと比較すると、より現実的なスケジュールと言えるのかもしれない。

編集=上田裕資

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