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カカオ創業者 キム・ボムス(Han Myung-Gu/WireImage/GettyImages)

韓国で最もメジャーなチャットアプリ「カカオトーク」で知られるインターネット大手「カカオ」の株価は今年に入り2倍以上に上昇し、同社の創業者で会長のキム・ボムス(金範洙)は韓国で最も裕福な人物となった。

カカオの株価は6月23日時点、2021年の年初から約110%の上昇となっている。フォーブスが5月中旬の株価をベースに集計し6月2日に開示した「韓国の富豪ランキング」で4位だったキムは、それ以降に保有資産を56億ドル増加させ、韓国トップの富豪の地位に上り詰めた。

フォーブスのリアルタイム・ビリオネア・ランキングで、キムの保有資産は現在162億ドル(約1.8兆円)とされている。彼は、これまで首位だったバイオ医薬品大手「セルトリオン・ヘルスケア」共同創業者のソ・ジョンジンに30億ドルの差をつけてトップに立っている。

現在55歳のキムは、苦難の道のりを経て財を成した。彼はソウルの最も貧しい地域のひとつで、工場労働者の父とホテルのメイドの母との間に生まれた。5人兄弟の3番目の長男であるキムは、両親が働きに出ている間、小さなアパートで祖母に育てられた。

キムは浪人して猛勉強の末ソウル大学に入学し、家庭教師のアルバイトで学費を稼ぎつつ、大学を卒業した。その後、サムスンのITサービスグループで5年間働いた彼は、ドットコムバブルの時期にハンゲームを立ち上げた。ハンゲームはその後、韓国のインターネット大手NAVERからの買収提案を受け入れて合併した。

彼が2010年に立ち上げたカカオは現在、サムスン、ヒュンダイ、SK、LGなどの財閥と並ぶ、韓国最大の企業グループの一つとなっている。

調査会社IHSマークイットのラジブ・ビスワスは、「パンデミックにより、オンラインサービスへの需要が急増したため、カカオの事業の拡大は加速した」と語る。同社の事業はパンデミック前から好調で、チャットアプリの「カカオトーク」は、2018年に4500万人のユーザーを獲得し、国内市場で95%近いシェアを獲得していた。同社は広告やEコマース、地図、ゲーム、金融サービス、電子コミックにも進出した。

中でも、決済サービスの「カカオペイ」は特に好調で、調査企業ガートナーの3月のレポートによると、カカオペイは中国のアントグループとの提携でさらに業績を伸ばした。

さらに、同社の事業部門のひとつであるカカオゲームズは昨年9月に上場し、約3億2000万ドルを調達した。また、同社は早ければ来月にもカカオバンクを上場させる予定で、18億ドルの調達を視野に入れている。

カカオは現在、メディア企業のカカオ・エンターテイメントとタクシー配車アプリのカカオ・モビリティの事業を拡大しており、来年のIPOを視野に入れている模様だ。

編集=上田裕資

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