同紙が公文書請求で入手した保安官報告書によると、銃関連の逮捕者は2016年には4人のみだったが、2020年は少なくとも20人だった。
2021年の逮捕件数も、すでに記録的なペースとなっている。4月中旬までの3カ月半ほどで、銃器を隠し持っていたとして逮捕された来園者は少なくとも14人に上る。このペースが続けば、今年は50人近くの逮捕者が出る可能性がある。
ディズニー・ワールドでは「銃や銃弾、刃物、あらゆる種類の武器」の持ち込みが禁止されており、各パークでは入り口で来園者の荷物に対する保安検査が行われている。
パークの一つ「エプコット」では昨年7月、営業再開からわずか3日後に、入り口の保安検査でジョージア州の女が持参した子ども用おむつのバッグから9ミリ拳銃と大麻が入ったビニール袋が見つかり、女は逮捕された。警察は、おむつバッグの底からさらに45口径の拳銃を発見した。
また地元テレビ局10タンパ・ベイ・ニュースによると、ポリネシアン・ビレッジ・リゾートでは昨年9月、家族で滞在していたフロリダ州の男性が、テニスバッグにAR15ライフル銃を詰め、さらに9ミリ拳銃やライフル用銃弾30発入りの弾倉3つ、拳銃用銃弾10発入りの弾倉2つを持ち込んだ。男性は、周辺地域で最近起きていた抗議活動を心配していたと説明。同州で有効な銃携帯許可書を持っていたため逮捕はされなかったが、銃器は滞在中、ホテルに預けられた。
ディズニー・ワールドで銃関連の逮捕者が増加している背景には、コロナ流行が始まってから米国で銃の売り上げや携帯が劇的に増えたことがある。銃の売り上げは昨年、コロナ流行や暴動の発生、大統領選といったさまざまな要因により増加した。
コンサルティング企業スモール・アームズ・アナリティクス・アンド・フォーキャスティング(SAAF)は、米国では2020年に2300万丁近くの銃が販売されたと推計している。昨年は銃の売り上げが前年から65%増加し、史上最高を記録。SAAFによると、2021年は最初の5カ月で920万丁近くの銃が販売された。2020年の同時期の販売数は870万丁だった。
さらに昨年は、コロナ禍により旅客機利用者が激減したにもかかわらず、米運輸保安局(TSA)が通常の保安検査で銃を発見する割合は倍増した。乗客100万人当たりの銃押収数は2019年には5丁だったが、2020年は10.2丁となり、19年前のTSA設立以降で最高を記録した。