着地型の観光が根付いていない現状がありました。着地型観光とは、出発地である発地で企画する観光ではなく、訪問先である着地で企画する観光のことです。私が着地型旅行会社を起業した理由の一つがそこにあります。
軽井沢から30〜60分程度で行ける小諸市・東御市・上田市エリアにはワイナリーが点在。軽井沢発でのワイナリーツアーも度々実施していて、今では定番の人気ツアーとなっている
軽井沢トラベル&コンサルティング
鈴木:現在経営されている軽井沢トラベル&コンサルティングという会社は具体的にどのような活動をされているのですか
河野:軽井沢を拠点にした着地型観光をメインとする旅行会社です。「軽井沢を世界代表する滞在型リゾートに」「 軽井沢をゲートウエイとした広域のツーリズム連携の推進」「旅づくりは街づくり、持続可能な観光地域づくり」の3つをビジョンに事業を推進しています。具体的には、着地型観光の企画手配、ツーリズムコンサルティング、域内のイベント企画運営等です。
また2020年からは軽井沢でのテレワーク・ワーケーション関連の企画・手配を手掛け始めました。軽井沢駅前にある「ウェルラボ軽井沢」(オンラインミーティングやオンラインフォーラム専用時間貸しワークスペース)の運営もしています。軽井沢には現在20カ所以上のテレワーク関連スペースがありますが、「ウェルラボ軽井沢」は、完全貸切が特徴です。
DX時代のツーリズムは、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド型旅行がスタンダードになってくると思います。ラボにはハイスペックな機材を揃えていて、旅前の楽しみとしての地域文化や食関連のオンラインセミナーやフォーラムの企画運営の他、事業者の動画撮影やオンラインイベントの企画サポートも手掛けています。
軽井沢駅北口徒歩2分にあるオンラインミーティング・フォーラム専用時間貸しワークスペース「ウェルラボ軽井沢」(43㎡、55インチモニター2台設置、高速Wi-Fi、スタンド型アルコール除菌スプレー・体温計あり)の室内
鈴木:コロナの影響で旅行会社もダメージが大きかったと思います。その間、河野さんは、オンラインツアーやセミナーなど、とても魅力的な企画を何回もされてました。その企画の内容と、そこから見える将来の新しいツーリズムはどのようになるとお考えでしょうか?
河野:コロナ禍でいくつかのオンラインツーリズムを試みました。例えば「世界遺産xワイン」を組み合わせた『ワインで巡る世界遺産オンラインツアー』や、地元メディアの軽井沢新聞社さんと企画した「オンラインレクチャーx個人旅行」を組み合わせた『軽井沢の歩き方』というオンラインツーリズムなどです。コロナ禍で旅行のオンライン化の流れは益々加速しています。