ティファニーは今年4月、ブランドのロゴが入ったイエローのボックスをインスタグラムに投稿。また、ロサンゼルスの高級住宅地、ビバリーヒルズのショッピングストリートにある店舗のイメージカラーをイエローに変更した。
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仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン傘下のブランドとなったティファニーの新たなプロダクト・コミュニケーション担当エグゼクティブ・バイスプレジデントに就任したアレクサンドル・アルノーによると、ティファニーは向こう1年をかけて、世界各地の店舗で「ティファニーイエロー」を導入する計画だという。
LVMHで10年働いた経験を持つ米コンサルティング会社、AHラグジュアリーコンサルティング(LuxuryConsulting)の創業者アラン・フイはこれについて、次のように語る。
「優れた“マーケティングマシン”であるLVMHは、ティファニーを傘下に収めてからわずか半年で、創業以来、手を触れてはならないものだったティファニーブルーに手をつけました」
「彼らは話題作りのため、そしてSNSで注目を集め、ティファニーを古くてつまらない、旧態依然としたものとみなしている若い消費者の関心を引くため、一定期間にわたってこの新たなブランドカラーを使うつもりでしょう」
一方、経営学で博士号を取得している色彩戦略の専門家、レスリー・ハリントンは、明るく大胆なカナリアイエローが選ばれたことに、「深い意味がある」と指摘する。「色」には文脈(背景)があり、使われる文脈の中で、異なる意味を持ちうるという。
「さまざまな色の中から選択することができたのです。ですが、カラーホイールを見ると、黄色と青はほぼ正反対の位置にある色です」
「黄色は、印刷物でもオンラインでも、最も目につく色です。そして、最も衝撃値の高い色です。何かこれまでと違うことをしていると知らせたいために、これまでと正反対のことをする場合もあるでしょう」