米国で拡大する「Noloワイン」 課題は味とアルコール度数?

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米国のワイン愛飲者たちは何十年にもわたって、アルコール度数平均14.5%以上のワインを喜んで購入してきた。ところがここ最近、節制と健康的な生活を心がける流れが強まっており、ノンアルコールと低アルコールのワイン、略して「Noloワイン」というカテゴリーが人気を集めつつある。

Noloカテゴリーは、2年ほど前に欧州と一部のアジアで生まれ、最近米国でも広がりを見せている。最近では、新たなNoloブランドが毎週のように売り出されているようだ。

Noloカテゴリーの成長率


新しい「Nolo」アルコールブランドが多く誕生している一番の理由はおそらく、このカテゴリーの目覚ましい成長を示す数字だろう。

たとえば、米調査会社ニールセンが先ごろ実施したアルコール飲料関連のウェビナー「Beverage Alcohol Webinar」によると、ノンアルコールのビール、ワイン、スピリッツの売上は、2020年に前年比で37%増加している。また、アルコール飲料のトレンド分析会社IWSRは新たに公表した調査結果で、Noloカテゴリーの消費量は2024年までに31%増加することが見込まれていると発表した。

ワイン専門サイト「ワイン・インテリジェンス」が米国で実施した調査では、ノンアルコールワインや低アルコールワインを購入する可能性があると回答した人は26%だった。

Noloカテゴリー成長の原動力


米国消費者のあいだで健康とウェルネスへの関心が高まっていることが、Noloカテゴリー成長の主な原動力になっていると見られる。ワイン・マーケット・カウンシル(Wine Market Council)が米国で実施したワインとウェルネスに関する調査では、2020年のパンデミック中にワインの摂取量が増えたと回答した人の割合は14%。一方、摂取量が減ったと回答した割合は23%だった。

「ワインの摂取量が減った要因は複数ある」と述べるのは、食品・飲料専門の市場調査会社フルグラス・リサーチの創業者で、この調査を率いたクリスチャン・ミラーだ。「主な要因は、人と集まることが減ったためで、パンデミックに関連していることは間違いない。また、食生活の変化と、飲酒に対する一般的な懸念のほか、飲酒が人々をどういう気分にさせるかということへの懸念もある」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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