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2021.06.23 08:30

留学生支援プラットフォーム「ApplyBoard」の企業価値が3500億円に

メティ・バシリ(左)、マーティン・バシリ(中央)、マッシ・バシリ(右)(ApplyBoard提供)

メティ・バシリ(左)、マーティン・バシリ(中央)、マッシ・バシリ(右)(ApplyBoard提供)

大学進学はただでさえ困難だが、海外留学のプロセスはさらに難易度が高い。だからこそ、留学生に申請手続きを無料で提供する「ApplyBoard(アプライボード)」は、この1年弱で急成長を遂げ、従業員数は2倍に増えた。同社は、米国や英国、オーストラリア、カナダで高等教育を受けたい外国人学生向けに、ビザや学費援助の申請から、テスト結果やエッセーの登録までワンストップで行うプラットフォームを運営している。

カナダのオンタリオに本拠を置くApplyBoardは6月15日、シリーズDラウンドで3億ドル(約332億円)を調達し、ポストマネーベースの評価額が32億ドル(約3520億円)に達したことを明らかにした。このラウンドを主導したのはオンタリオ州教職員年金基金で、既存株主であるFidelity Management & Research、Harmonic、Index Ventures、Garage Capital、Blue Cloud Venturesが参加した。これにより、同社の累計調達額は4億7500万ドルに達した。

「教育は権利であり、特権ではないという信念から兄弟と共に会社を立ち上げた。人々が教育を受ける機会を提供するという夢を達成する体制が整い、とても興奮している」とApplyBoardのCEOで共同創業者であるマーティン・バシリ(Martin Basiri)は語った。

バシリと彼の兄弟であるマッシとメティは、身をもって海外留学の大変さを体験している。彼らはイラン出身で、工学の修士号を取得するためにカナダへの留学を志した。彼らはウォータールー大学への進学を果たしたが、ビザや学費援助などの申請に苦労し、各自が数百時間を費やしたという。

「会社を立ち上げたのは偶然だった。私たち兄弟は10年前にカナダにやってきたが、留学プロセスがあまりに苦痛であったため、この問題を解決できれば大きなビジネスになると当初から考えていた」とバシリは、2020年9月にシリーズCのエクステンションラウンドで5500万ドルを調達した際に述べている。

3兄弟は2015年に仕事を辞め、Common Application(多くの大学が採用している出願書類管理システム)の留学生版とも言えるプロダクトを開発した。彼らは、学生には料金を請求しないと最初から決めていたという。現在、ApplyBoardのウェブサイトでは、125カ国以上の国の学生が経歴や趣味、財務状況などの情報を入力することができる。
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編集=上田裕資

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