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2021.06.23 08:30

留学生支援プラットフォーム「ApplyBoard」の企業価値が3500億円に


その結果をもとに、AI(人工知能)が留学生と1500校以上の大学や大学院をマッチングする。高等教育機関には、デラウェア大学やウォータールー大学、リバプール大学などが含まれる。留学生はApplyBoard上で共通願書を大学に提出し、合格すると、同社のビザ担当チームがビザの取得を支援してくれる。学生が支払うのは大学への出願料のみで、それ以外は無料となっている。

国境を超えた教育の重要性


カナダで最も急成長している企業の1つとなったApplyBoardは、これまでに20万人の留学生を支援してきた。同社は入学した学生の授業料の数%を大学から徴収しているが、売上高は公開していない。新型コロナウイルスの感染拡大により留学生リクルーティングが75%減少したものの、ApplyBoardの売上高は2020年から400%増加した。

同社は25カ国で1000人以上の従業員を雇用しており、さらに250人を採用する予定だという。

「将来、高等教育において国境を超えた教育の重要性が増すだろう。テクノロジーを使って留学プロセスを簡略化するツールのニーズはこれまでになく高まっている」と今回のラウンドを主導したオンタリオ州教職員年金基金のRick Prostkoは話す。

国際教育を強化するという使命が、バシリたちを突き動かしている。今回調達した資金は、新しいプロダクトの開発や、ApplyProofのような既存プロダクトの強化に充当するという。

ApplyProofは、移民局職員や大学の入試担当者のために、入学許可書や英語テストのスコアなどの申請書類が本物であることを認証する機能を提供している。

「人々がお互いのことを知らなければ、平和は訪れない。人々は、共に学んで成長することによってお互いを思いやる気持ちを育むことができる。留学生が母国に戻った後も、留学先の国との関係は永遠に続き、世界に繁栄と平和がもたらされる」とバシリは話した。

編集=上田裕資

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