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2021.06.21

ビットコインの危険指標「デスクロス」発生で見えてきた真実

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その中には、時価総額が現在6600億ドルのビットコインに次ぐ規模の、時価総額2500億ドルのイーサリアムのような主要なポジションを築いたコインもあれば、派手なデビューを果たしたものの、時間とともに衰退したものもある。

非営利団体DFINITY財団がローンチした分散型ネットワークInternet ComputerのICPトークンは、5月のローンチ直後の史上最高値から90%以上下落しており、2018年のローンチ前に41億ドルを調達して話題になったEOSは80%下落している。

エールサムは、NFT(ノンファンジブル・トークン)に賭ける投資家に対しても警告を発している。暗号通貨技術を用いてアート作品からツイートまであらゆるデジタル資産をトークン化し、販売可能にするNFTの人気は、ここ数カ月で爆発的に高まったが、データによると、市場はすでに5月初旬のピーク時から大幅に下落している。

「現在のNFTの90%は、3年から5年後には価値を失っているだろう」とエールサムは述べ、ここ最近のNFTブームが90年代後半の初期のインターネットバブルに近いものだと話した。3月には、デジタルアーティストのBeepleのNFTが、6900万ドルという前代未聞の高値で落札され、オークションハウスのクリスティーズは、Beepleが「現存するアーティストの中で最も価値のあるトップ3に入る」と述べていた。

しかし、ビットコインと暗号通貨の市場は乱高下が続いているものの、今後も存続し続けるとエールサムは確信している。

「クリプトは、米国に次のインターネットの規模の機会を与えるものだ」と彼は語り、イーロン・マスクやビル・ゲイツらがビットコインに対して抱く、エネルギー効率が悪すぎるという不満も、いずれ払拭されると予想している。「世界は一夜にして変わるものではないが、爆発的な成長の種はすでにあちこちで芽を吹きつつある」とエールサムは指摘した。

編集=上田裕資

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