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今後の動きについては、「僕らもゼブラなので、急成長を描いているわけではない」とし、投資に関しては、投資先の経営者と丁寧に向き合い、1社あたり1000〜2000万円の規模で行っていく。

言い換えれば、しばらくは、ここまで伝えてきたゼブラのコンセプトの社会実装、実証期間なのだという。そこで大事なのは、現場で得た知識やノウハウを抽出し、体系化していくことだ。

「ひとつの目標として、3年を目処に書籍出版を考えています。実証も踏まえたナレッジのレバレッジを効かせることで、ゼブラ企業を目指そう、支援しようという仲間を増やしていきたい」

ここで、コラボレーションが力を発揮する。連続起業家でもあるスタンフォード大学のChoi Yue Victoria Woo講師と「ゼブラ企業を経営するとはどういうことか」を学術的にまとめたり、石田幹人弁護士(森・濱田松本法律事務書所属)と法律知識を整理したり、カルティエの女性起業家支援プロジェクト「Cartier Women’s Initiative」と提携するなどして、社会的インパクトを拡張していく。


社会的インパクトの循環図(ゼブラ アンド カンパニー提供)

ゼブラ アンド カンパニー内においては、バックグラウンドの異なる3人の共同代表、投資と海外領域に強い田淵、元経済産業省のVC 陶山祐司、マーケティング出身の阿座上陽平が、それぞれの専門性をいかすことで総合的なアプローチをとる。

「ゼブラのムーブメントは、投資業界だけでなく、もっといろんな人が関わって起こしていく変化です。経産省出身の陶山さんは政策面、阿座上さんは社会的な潮流、そして私はグローバル連携など、というバランスです」

適した場所に、適した資金を


スタートアップ投資といえば、VCとユニコーンがセットのように広がってきたところに、ゼブラ アンド カンパニーは異なる形を示すことになる。「ゼブラはユニコーンと敵対するわけでなく、棲み分け」だとしつつ、田淵は最後に次のように語った。

「今回の調達にあたってVCや金融の人とも多く話しましたが、業界の人ほど、両者の違いを理解して、賛同してくれました。適した場所に、適した資金があればいい。これまでは流行りもあってユニコーン至上主義が強かったですが、そこにゼブラという違う形を提示することで、資金の性質を多様化させていきたいですね」

社会全体において大きな流れである多様性への動きが、投資分野でも加速していきそうだ。

編集=鈴木奈央 写真=ゼブラ アンド カンパニー提供(澤圭太 撮影)

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