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英イングランドの新型コロナウイルスの感染者数が、11日ごとに倍増しているとみられることが分かった。インペリアル・カレッジ・ロンドンが主導し、国内の新型コロナウイルスの感染状況を追跡する「REACT調査」の最新のデータ(6月17日発表)から明らかになった。

この調査結果(査読前)は、5月20日から6月7日までに行われた鼻・咽頭ぬぐい液(スワブ)検査およそ11万件から得たデータに基づくもの。これにより、5月3日から6月7日までの約1カ月で、検査での陽性率が約50%上昇していたことも確認された。

英国内の新規感染者から確認される新型コロナウイルスの株は、すでに90%以上が従来型の株より感染力が強い「デルタ株(インドで最初に確認、B.1.617.2)」になっている。感染の主流となる株の置き換わりが急速に進む中、ワクチン未接種者と子供たちの間で、デルタ株の感染が急拡大しているとみられる。

デルタ株は、英国で最初に感染が拡大したアルファ株(B.1.1.7)より感染力が60%強いとみられていれる。また、接種1回でのワクチンの有効性は、従来型の株やアルファ株に比べて大幅に低下するとされており、「発症予防」効果は、30%前後とみられている。

英国内の新たな感染者は、現時点ではワクチン接種を受けていない子供や若年成人が大部分を占めている。だが、専門家らは、今後はより重症化のリスクが高い高齢者にも感染が広がるとして、警戒を呼び掛けている。

インペリアル・カレッジ・ロンドンのスティーブン・ライリー教授(感染症学)は、ワクチンは接種を完了した人にも100%有効なわけではない上、国内のすべての人が接種を完了したわけでもないとして、「感染拡大に歯止めがかからなければ、より高リスクの人たちの間で感染者・死者が増加することになる」と述べている。

英政府は感染拡大を防ぐためにイングランドで実施していたロックダウン(都市封鎖)を21日に解除する予定だったが、こうした感染状況を受け、先ごろ1カ月間の延期を発表した。規制を解除する間に、より多くの人の接種を完了させる方針だ。

米国でも「置き換わり」が加速


一方、デルタ株の感染は、米国でも拡大している。疾病対策センター(CDC)によると、全米の過去2週間の新規感染者のうち、この変異株にかかっていた人の割合は、6月15日の発表の時点で少なくとも10%(5月22日の発表では2.7%)だった。

ただ、コロラド、モンタナ、ノースダコタ、サウスダコタ、ユタ、ワイオミングなどの各州では、この数値を上回っていたと推測されている。

また、米国では一部の州で、いまだワクチンの接種率が低くなっており、そうした地域では英国と同様、未接種者と子供たちの間で、感染が急拡大することが予想されている。5つの州では、1回目の接種も受けていない人の割合が、およそ40%になっている。

編集=木内涼子

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