WSJによると、バイトダンスは2020年の財務実績のハイライトを社内メモで共有しており、その中で総売上が前年に比べて111%増加したことが記されていたという。同社は21億ドルの営業損失を計上したが、これは従業員に与えられた株式ベースの報酬の支払いが原因だとされている。
また、12月末時点の同社の全プラットフォームにおける月間アクティブユーザー数は約19億人とされたが、TikTokやその中国版のDouyin(抖音)など、個別の数字は記載されていないという。バイトダンスは、ニューヨークか香港での上場を検討している模様だ。
バイトダンスの企業価値は、直近の資金調達ラウンドで1400億ドルとされ、世界で最も価値が高いスタートアップとなった。しかし、セカンダリーマーケットでの評価額は、2500億ドルにまで上昇したと報じられている。
バイトダンスが、Douyinを含む主要事業の一部の上場を検討しているとのニュースは、今年4月に初めて報じられていた。しかし、中国と米国の双方の規制当局を満足させる事業モデルを構築できず、この取り組みは失敗に終わった模様だ。
同社は、ドナルド・トランプ前大統領が発行した大統領令を受けて、Douyinの中国事業とTikTokのグローバル事業を分離させようとしていたと報じられている。今月初め、バイデン大統領はその命令を取り消したが、同社の米国事業は、個人データの取り扱いに関するバイデン政権の調査とともに、財務省主導の審査を受けている。
バイトダンスの共同創業者の張一鳴(チャン・イーミン)は5月20日、2021年の末にCEOを退任すると発表していた。後任は、同社の人事部長で張の大学時代のクラスメートの梁汝波が務めるとされている。
退任を発表した張は、社内メモの中で、自身に理想的な経営者になるためのスキルが不足していると述べた。「私は人を管理することよりも、組織や市場の原理を分析し、それらの理論を活用して管理業務をさらに軽減することに興味がある。私はあまり社交的ではなく、インターネットや読書、音楽などの孤独な活動を好む」と彼は述べていた。