dAppsの実用方法については、2日目のグローバルセッションのひとつ「世界的人気dAppsディベロッパーに聞くdAppsゲーム市場2021大予想」において実像がつかめた。世界各国でブロックチェーンゲーム開発などを手がける4人が意見を交わした。
映画『Ready Player One』では、「ひとりの天才」が仮想空間にさまざまなゲーム世界を構築するが、この世界観はひとりのクリエイター、ひとつのメーカーによっての具現化されるのではなく、NFT、dAppsを介することで、各ゲームの行き来が可能になり、その融合によって世の中に体現される可能性があると考えられる。
「Play to Earn」の価値観で、デジタル経済圏を形成
2日ともオンライン配信された「Non Fungible Tokyo」
ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」を開発するベトナムのスタートアップ「Sky Mavis」のJeffrey Zirlinは、まずdAppsゲーム直近のトレンドとして「プロダクトとマーケットフィットが始まっているという。また「Play to Earn」(ユーザーがゲームをプレーすることで収入を得る)の価値観が生まれ、3年前ぐらい前までふわっとしていたユーザーメリットと需要が明らかになり、デジタル経済圏ができあがってきた」と口火を切った。
すでに200万人のユニークユーザー、22万5000人のデイリーユーザーを擁し世界最大のdAppsゲームとも言われる「Alien World」のSarojini McKennaは、2008年頃からこうした世界観はあったとし、「Play to Earn」の発想も生まれていたと発言。ゲーム内においてユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ(UGC)の創造が可能なため、「ユーザー同士のコミュニケーションが活発化し、そのやりとりの中からクリエイティビティが進化している」とその優位性をアピールした。
しかも「Play to Earn」により「稼げるだけでなく、ユーザーに権限を譲渡する点も大事」とこれまでのプレーヤーは決められたルールの中でプレーするだけの既存ゲームと一線を画したゲームの特徴を強調した。
またSarojiniは「ひとつのブロックチェーンでは限界があり(幾多のブロックチェーン間を)トランスファーできないといけない。チェーンは、むしろ透明な存在でなければならない」と『Ready Player One』的な世界の具現化のために、チェーン間のトランスファーの重要性を訴えた。