子どもへのワクチン接種、米国人の4人に1人が反対

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米国人の親の4人に1人は子どもに新型コロナウイルス感染症ワクチンを接種させない考えであることが、最新の世論調査でわかった。ワクチン接種が進む米国だが、共和党支持者の多い州を中心にワクチン忌避も引き続き問題になっている。

調査はハリス・ポールが今月11〜13日、米国の成人2015人を対象に実施した。

それによると、12歳未満の子どもをもつ親の62%、12歳以上の子どもをもつ親の54%は、子どもに新型コロナワクチンを完全に接種させると回答した。9%の親はすでに子どもにワクチンを接種させていた。米国では現在、新型コロナワクチンの接種対象年齢は12歳以上となっている。

一方で、子どもにワクチンを接種させないと答えた親も、2歳未満の子どもをもつ人で27%、12歳以上の子どもをもつ人で25%にのぼった。

理由は▽子どもに対するワクチンの安全性や効果について一段の研究を待つ必要がある▽新型コロナは子どもではワクチン接種が必要なほど深刻ではないと考えている▽一般的にワクチンを好ましいものと思っていない──などだった。

また、12歳未満の子どもをもつ親の11%、12歳以上の子どもをもつ親の12%は、2回の投与が推奨されているワクチンについて1回しか接種させないと答えた。

インドで最初に確認され、米国でも近く主要な株になる可能性がある変異株「デルタ」に対しては、1回の投与ではワクチンの効果が著しく落ちることがわかっている。イングランド公衆衛生局によると、米ファイザーとドイツのバイオンテックが開発したワクチンの場合、1回の投与では発症予防効果は36%にとどまる。

米疾病対策センター(CDC)によれば、新型コロナワクチンの接種を少なくとも1回受けた米国人の割合は、12〜15歳では26%、先に対象年齢に含まれた16〜17歳では40%となっている。2回接種を受けた人の割合は12〜15歳ではわずか12.8%、16〜17歳でも29.6%にとどまる。

この調査では、米国でワクチン忌避が広がっていることがあらためて浮き彫りになった。同様の調査では、新型コロナワクチンの接種を受けたくない米国人の割合は25〜30%にのぼっている。

ワクチン忌避率は共和党主導の州でとくに高く、CDCによると、少なくとも1回の接種を受けた住民の割合が50%に届かない州はまだ10州ある。

ファイザー製のワクチンをめぐっては、統計的には珍しいものの10代の人の心筋炎発症と関連している可能性があり、米国を含む数カ国で調査が進められている。CDCは引き続き12歳以上のすべての人のワクチン接種を推奨している。

米国では12歳未満の子どもに対するファイザーと米モデルナ製ワクチンの接種について臨床試験が行われているが、米食品医薬品局による承認や一般への接種開始がいつになるのかは不透明となっている。

編集=江戸伸禎

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