U30世代の若者が社会に対して感じるモヤモヤを、第一線で活躍する大人にぶつけて、より良いヒントを探る連載「U30と考えるソーシャルグッド」。今回のテーマは「ルッキズム」。アルビノ(眼皮膚白皮症)当事者として発信している神原由佳さんに、NO YOUTH NO JAPANのメンバーが話を聞いた。
(前回の記事:Z世代も注目のESG投資 脱炭素・企業の本気度の見分け方は?)
多様性が掲げられ、「人の目を気にせず自分らしく生きよう」と声高に言われる現代。しかしネットでは容姿に関する情報が溢れ、見た目についての暗黙のルールはまだ社会に残っている。アルビノ当事者に日本の外見至上主義はどう映るのだろうか──。
悩んだ中高時代 「今はこの自分にしっくりきている、そんな感覚」
NO YOUTH NO JAPAN三村紗葵(以下、NYNJ三村):神原さんがご自身の見た目について意識し始めたのはいつ頃ですか。また、特に深く悩んだ時期はいつですか。
神原由佳(以下、神原):強く意識し始めたのは小学校低学年の頃です。図工で自分の似顔絵を描く時でした。クレヨンやクーピーなどのはっきりした原色で髪や目の色を表現するのが難しかったです。当時は肌色と書いてあって、自分の色とは合いませんでした。
画材の中でどれも自分の色がなくて人との違いを強く意識しました。また、黒板の上に貼られたみんなの似顔絵を見たときに、黒髪が並ぶ中で黄色や白で描いた私の絵は浮いていました。外見なので普段自分では鏡を見ないと違いを意識しませんが、黒板の上にあるので目に入ってしまって。やんわりと違いを意識させられました。
特に強く悩んだ時期は中高生の頃。思春期になると外見やアイデンティティで揺らぎがある人もいると思います。私も「自分って何者なんだろう」と、人と違うことに悩みました。また、当時は辛くても何が辛いのかを言語化できませんでした。わかってほしいけどうまく伝えられない。でも簡単に理解されるのも複雑だなという思いもあって悩みましたね。
NO YOUTH NO JAPAN足立あゆみ(以下、NYNJ足立):ご自身の思いを発信していると「アルビノでかわいそう」といった声もあると思いますが、それに対してはどう思いますか。
神原:ショックな反面、これは個性かと言われたら私はまだそこまでポジティブに捉えられないですね。生まれた時からこうだしなぁという感覚が正直なところです。だからネガティブなものでもないけど、個性や強みというほどでもない。この自分にしっくりきている、そんな感覚です。
NYNJ足立:神原さんがご自身の見た目をポジティブに捉えられるようになったのはいつですか。またそのきっかけについて教えてください。
神原:自分の見た目をポジティブに捉えられるようになったのはこの2、3年くらいのことです。突然という訳ではなくて、20歳過ぎたくらいから徐々にという感じでした。