NYCの賃貸価格が急上昇、パンデミック以前の水準に戻る地区も

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ビレッジやソーホーなどの人気エリアでは、競争の激化によって、家主に優位性が戻ってきている。仲介手数料が復活し、アパートメントが市場に出たその日のうちに100件以上の問い合わせが不動産業者に殺到することもある。

ダグラス・エリマンのリース部門エグゼクティブディレクター、ハル・ガブジー(Hal Gavzie)は、「トライベッカ、ソーホー、ビレッジ、ブルックリンなど、ニューヨーク市の需要の高い地区で市場に出た新規物件は、パンデミック以前かそれに近い水準の賃料に達している」と述べる。

エリマンの最新リポートによると、マンハッタンでもっとも割安なのは、スタジオおよび1ベッドルームの部屋で、家賃の中央値は前年をそれぞれ14.8%、11%下回っている。それ以上のサイズの部屋は、全体で8%未満の下落にとどまっている。

ブルックリンでは逆の傾向がみられる。小さめなアパートメントの賃料は12カ月前の水準に肉薄しているが、2ベッドルーム以上のアパートメントでは、12%以上割安なままだ。ボーラムヒルやコブルヒルなど、ブルックリンでもっともホットな地区では、競争率がきわめて高く、家主がひとつの物件に5件以上のオファーを受けることも珍しくない。

一方、クイーンズにおける賃料の中央値は、物件の広さにもよるが前年を12.9~22.9%下回っており、全体にみて大幅な値引きが続いている。同地区では、夏から秋にかけての回復が期待されている。

賃貸市場の外に目を向けると、不動産売買も活気づいている。コーコラン・グループによると、5月には1600件の売買契約が成立し、5月としては2007年以来最多となった。賃貸と同様に、人気エリアは売り手市場となっている。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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