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2021.06.17

ウェイモ、「第5世代の自動運転」推進に向け2800億円を調達

(c) Waymo


「長期的な視野」で事業を最適化する


ウェイモのもう一人の共同CEOのディミトリ・ドルゴフ(Dmitri Dolgov)は、今回の調達ラウンドが「我々の滑走路を確保してくれるものだが、当社は長期的な視野から事業の最適化を行っていく」と述べている。「我々には、この会社の長期的な成功のために妥協せず、共に歩むことを約束してくれる素晴らしいパートナーと投資家たちがいる」

数年前にウェイモが限定的な商用ロボットタクシーサービスを開始したフェニックス郊外では、完全自動運転のWaymo Oneライド(人間の安全運転手がバックアップしない)が拡大を続けており、現在では一般の人々にも公開されている。

一方で、サンフランシスコでのWaymo Oneライドの試験回数も増加しているが、カリフォルニア州の規制当局がまだそれを合法化していないため、ウェイモは地元のサンフランシスコ・ベイエリアでの有償ロボットタクシーの開始時期を明確にできていない。

同社は昨年ダイムラートラックと締結したエンジニアリングおよび生産に関するパートナーシップや、トラック輸送会社J.B.ハントとのプロジェクトを通じ、トラック運送事業も拡大している。

マワカナ共同CEOによると、ウェイモは技術を改良しつつWaymo Via物流事業のための追加のパートナーシップや市場への適用の準備を進めているという。「それらが具体的で現実的なものになるのは、数年後のことだ」と、彼女は述べた。

ウェイモは、新たな資金調達とともに、ロボットやトラックを第5世代のハードウェアおよびソフトウェアシステムに移行している。このシステムには、アップグレードされたセンサーやコンポーネントが搭載されており、「密集した都市環境における厳しい天候など、あらゆる複雑な条件に対応できるように設計されている」とドルゴフは述べた。

競合他社の多くとは異なり、ウェイモはロボットタクシーや、自動運転が可能な長距離トラックや都市型配送車、さらには個人用自動運転車両など、複数の用途に向けてシステムを同時に開発している。

2009年にグーグルの自動運転車チームに参加し、長年CTOを務めてきたドルゴフは、ウェイモが競合他社に対する優位性を失いつつあるとの指摘に反発している。

「もし、我々が停滞しているなどと言っているのなら、それは心外だ。我々は実社会に適用可能なプロダクトを生んでいる。当社がここに至るまでのすべての経験や、何百万マイルもの距離を走行したこと、数年にわたる技術的なプロジェクトのすべてが、Waymo Driverに結実しているのだ」と彼は話した。

編集=上田裕資

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