デジタル・トレンド・ハンズオン


Airpeak S1の販売は、従来の映像クリエイター向けの販路を中心に展開されることになりそうだ。ソニーはAirpeak S1の発売後も、例えば大容量バッテリーパックやRTK(高性能なGPS測位システム)、5G/LTEをサポートする無線通信アダプターなど機能拡張を目的とするアクセサリーの開発に力を入れるという。

川西氏はまた、「ソニー単独では、ユーザーから寄せられるすべてのニーズに応えられないだろう。ソフトウェアベンダーをパートナーとして迎えられるように、開発キットの提供などにも力を入れて取り組みたい。またサードパーティーのアクセサリーメーカーから、ソニーのαシリーズ以外のカメラをAirpeak S1に対応させるアイテムが出てくる可能性もある」としている。


発売当初、Airpeak S1に搭載できるジンバルはαシリーズの対応するカメラ専用のものになるが、他社製品に対応するアクセサリーのメーカーによる機能拡張も期待できそうだ

ソニーでは昨年11月から法人・個人の映像クリエイターを同社ドローン製品のサポーターとして取り込む「共創活動」にも力を入れている。川西氏は映像クリエイター以外にも、産業向けのシステムインテグレータ、各種事業者・パートナーのニーズや要望を拾い上げて、将来のAirpeakシリーズの開発に活かすという考えを述べている。

日本の空をドローンが飛び交う日までにやるべきこと


日本国内ではいま、過疎地・離島の物流など社会インフラとして、あるいは災害対策や警備など産業用途に無人飛行型ドローンを活用する可能性に期待が集まっている。というのも、国内でも現行では飛行が認められていない「有人地帯における補助者なし目視外飛行:レベル4」の実現に向けた法制度が整いつつあるからだ。

現在、国土交通省が中心となり、機体の安全性に関する認証制度(機体認証)、および操縦者の技能に関する証明制度(操縦ライセンス) の創立が進められている。早ければ2022年の12月までに新たな法制度が施行され、日本の街の上空にドローンが飛ぶ姿が見られるかもしれない。

レベル4の実現に向けて、ソニーが技術の側面から取り組むべき課題もあると川西氏は話す。例えばAirpeak S1はいまソニーのαシリーズのカメラとジンバルを装備した状態で最大飛行時間約12分を確保している。今後あるいは物流サービスのパートナーから引き合いを得たときにはより長い飛行時間、重い荷物を積載した状態での飛行を実現することも求められる。プロの映像クリエイターから大型のシネマ用ビデオカメラをドローンに付けて飛ばしたいという声が上がってくるかもしれない。

川西氏は「ドローンの大型化・小型化も含めて検討する用意はある」としながら、秋の発売後は当面のあいだアクセサリー等の活用による機能拡張を強化しながら、クリエイターから寄せられるニーズに応える考えを述べた。

世界では輸送交通手段として有人飛行を可能にするドローンの開発競争も熱を帯びつつある。国内ではSkyDriveが“空飛ぶクルマ”として発表した有人機ドローン「SD-03」も話題を呼ぶ。新たにソニーが参戦したことにより、日本のメーカーがドローンの分野でも世界にその存在感を示すことができるのか注目したい。

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文=山本 敦

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