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3. 考え方の変化

「大半の人はスナックバーや甘いデザートが好きなのに、甘いワインを好むことのどこが悪いのだろう? スイートワインはさっぱりしていておいしい。さらに、ジェネレーションZ世代やミレニアル世代の若い層は新たなものを試すことにより積極的だ。この世代はスイートワインは格好悪いという古い心理的な壁を持たず、自分の好きなものをただ楽しみ、友達にお薦めの飲み物を尋ねる」(ベル)

スイートワインのカテゴリーがコロナ禍収束後も成長を続けるかどうかは不明だが、ベルは人口動態の変化により、これが今後も続くと考えている。

「E.&J.ガロは、消費者が求めるものを理解するため多くの消費者調査を実施している。当社では、新たにワインを飲み始めた人が甘いワインに非常に引かれていることを発見した」(ベル)


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ワインにおける、多様性の重要性


ベアフット・フルートスカートは、米国産ワインとして初めてラベルを英語・スペイン語で表記したブランドの一つで、多様な消費者集団を引きつけている。ワインのラベルを複数言語で記載する生産者は他国には存在するが、米国ではかなりまれだ。

ベルは「インクルーシブなことは、E.&J.ガロとベアフットにとって非常に重要だ」と述べた。

「当社の目標は、ワインのカテゴリーに新たな消費者をもたらすことだ。しかし人々はワインに関する自分の理解が足りないと感じていて、ワインを恐ろしく感じてしまうことがある。私たちはワインをさまざまな人に平等に提供し、新たな消費者でも手が届く楽しいものにしようとしている」

興味深いことに、スイートワインはワイン史の中で長い間、重要な地位を維持してきた。フランスのルイ16世の宮廷の王族やロシア皇帝に振る舞われた初期のシャンパンは、一部が非常に甘口だった。しかし時間がたつにつれ、より辛口のスタイルが人気になった。

ニューヨークの著名レストラン「21クラブ」では1920年代、メニューの中で最も人気かつ高価なワインはドイツ産の甘いリースリングだった。しかし現在、米国の一流レストランでこうした名誉あるワインは主に、辛口のカベルネ・ソービニヨンやピノ・ノワールだ。


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どうやら、スイートワインの流行は廃れてはまた戻ってくることを繰り返すようだ。しかし現在は、その流行が戻ってきている可能性がある。あるいは一部のワイナリー所有者に言わせると、完全にはなくなっていなかったのかもしれない。

米東海岸のあるワイナリー所有者は「試飲室を訪れる顧客向けに出す甘口の白・赤ワインは必ず常備している」と述べた。「確かに辛口ワインはよく売れるが、甘口を好む消費者は常に存在する。なぜ全てのワイナリーが、消費者の異なる好みに合わせたさまざまなスタイルを提供しないのか理解できない」

翻訳・編集=出田静

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