フェデックスが自動運転ロボットNuroと提携、宅配の実験開始

(C)Fedex

米国の物流大手フェデックスは、自動運転技術を開発するNuroと長期的なパートナーシップを結び、Nuroの小型ロボット車両を使って、ラストマイルの小包配達を行うことをアナウンスした。

「このパートナーシップは、双方の重要なコミットメントを伴う戦略的パートナーシップであり、対象となるユースケースと市場、そして野心的なスケールを備えている」と、Nuroはブログで述べている。

「当社はすでにヒューストンのフェデックスの拠点でテストを開始し、彼らのオペレーションを学び、フィードバックを得ている。時間をかけて、この取り組みを展開し、物流や日常生活に変革をもたらす規模に成長させていく」

このプログラムは、Nuroにとって、食料品や食品を注文当日に届けるオペレーションを、小包配達に拡大するものとなる。フェデックスによると、最初のテストは4月にヒューストンで始動した。両社はこのプロジェクトの財務的な詳細や、ロボットの台数については明らかにしていない。

グーグルの自動運転車両プロジェクトの元メンバー2名によって設立されたNuroは、トヨタのウーブン・キャピタル、ソフトバンク、Greylock Managementなどから14億ドル(約1540億円)以上の資金を調達した、自動運転分野で最も資金力のある企業の一つとして知られている。

Nuroは、アルファベットのWaymoやGMのCruiseといった自動運転分野の競合とは異なり、ロボットタクシーではなく配送やロジスティックスに特化している。

同社の小型EVの「R2」はウォルマートやクローガー、CVSなどの企業向けに荷物や食料品を運ぶために設計された自動運転車両で、比較的低速で走行する。R2は、公道を走行できる無人運転車として、米国で初めて承認を受けた。

ピザの宅配に続く試験プログラム


フェデックスのプログラムは、Nuroが4月にヒューストンでドミノ・ピザと共同で開始したピザ配達のパイロットプログラムに続くものだ。

メンフィスに本拠を置くフェデックスは、Eコマースの成長に伴い、配送業務全体で「自律的なソリューション」を検討するようになったと述べている。同社は、2019年にセグウェイの生みの親である発明家のディーン・ケーメンと共同開発した配達ロボットをテストしていた。

フェデックスによると、Nuroとのプログラムでは、配送中の複数回の停止や予約制のデリバリーをテストするという。

フェデックスの先端技術・イノベーション担当副社長のレベッカ・ヨンは、「フェデックスはイノベーションによって築かれた企業であり、イノベーションは今後も企業文化とビジネス戦略の重要な一部であり続ける」と述べた。「当社の業務における自律走行技術の活用を模索していく中で、Nuroのような業界のリーダーと協力できることを大変嬉しく思う」

NuroのR2は、コンパクトカーの半分ほどの大きさで、Roush Enterprises社との提携により設計・製造されており、他の車両や歩行者、自転車、道路状況を監視する360度のビジョンシステムを搭載している。

編集=上田裕資

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