「我々は、長期的に事業を継続する大規模な会社を作りたいと考えており、IPOはそのマイルストーンの1つだ。会社は成熟しており、株式市場の状況も良かったので、IPOには最適なタイミングだった」とマンは述べた。彼は、共同CEOを務めるEran Zinmanと共に2012年にmonday.comを設立した。
テルアビブに本拠を置くmonday.comは、かつて「dapulse」という社名だった。同社を創業する前に、マンはホームページ作成サービスのWix.comの幹部として、チームを管理する優れたソフトウェアを探していた。そこで、彼はモバイル企業Conduit MobileのZinmanに声をかけ、2014年初めにタスク管理とボードなどの機能を提供する製品をリリースした後に、2017年に社名をmonday.comに改めた(イスラエルでは日曜日から仕事がスタートするが、海外の顧客を意識しmonday.comにしたという)。
その翌年、同社は米国進出を果たし、現在はニューヨークとロンドン、シドニーにオフィスを構えている。monday.com の評価額は2019年に19億ドルに達していた。
マンによると、monday.comを業務オペレーティングシステムと位置付けており、ホテルから工場まで幅広い分野で使用されている。顧客にはユニバーサル・ミュージック・グループやNHLなどが含まれる。
monday.comの2020年の売上高は前年比106%増の1億6100万ドルだった。直近の四半期実績に基づく今年の予想売上は2億3600万ドルで、成長率は85%に達するという。
現在42歳のマンは、同社の株式を600万株保有しており、推定保有資産は10億ドルを超えている。38歳のZinmanは、2020年11月にCTOから共同CEOに昇格した。彼はIPO時点で230万株を保有しており、保有資産は推定4億ドルだ。
Zoomなどから累計5.7億ドルを調達
マンとZinmanは上場初日の株価を気にしておらず、株主に長期的に保有してもらうことが会社にとってより重要であると語っていたが、Monday.comの株価は好調な滑り出しを見せた。
同社はこれまでZoomとセールスフォースなどから5億7400万ドルを調達しており、長期的な成長に必要な資金を確保している。
一部のIPOウォッチャーは、monday.comのマーケティング費用がここ数年増加傾向にあり、2020年第4四半期には赤字額が約6300万ドルに拡大したと指摘している。これに対し、マンとZinmanは、IPO前に調達した2億3400万ドルのうち、1億2100万ドルしか使っていないと反論した。また、12万人のユーザーのうち70%がテック系以外の顧客であり、今後も成長が見込める点を強調した。
「我々は、熱意をもって素晴らしいプロダクトを作っていきたい」とマンは話した。