米世論調査会社ハリス・ポールの調査でも、米労働者の過半数(52%)が、2021年中の転職を検討していると回答しており、44%はすでに計画を立てている。
転職は、いつでも不安なものだ。けれども、才能ある人材への需要は驚くほど高く、転職は以前よりも容易になっている。新たにキャリアをスタートさせたいけれども希望分野での経験がないという人でも、不可能ではない。必要なのは、転職に向けての目的意識と突き進む力、周到な準備とやる気だ。
人の関心を引くストーリーを描く
転職希望先の企業に対して、自分がこれまでとは違う方向に進もうとしている理由を説明するときには、新しいキャリアへの願望を描き出すストーリーを考えよう。その際には、新しい仕事への情熱と、異なる道へと踏み出すリスクをいとわない意欲を前面に押し出すことだ。
新しい業界でも応用可能なスキルについて、どうアピールすべきかも考えなくてはならない。これまで積んできた経験のなかには、転職先の業界向けではないものもあるかもしれないが、新しいキャリアの確かな土台となってくれる。また、なぜキャリアチェンジを希望しているかの理由を述べ、その分野では未経験だとしても、転職希望先の企業に自分がどのように貢献できるかを説明しよう。
転職したいキャリアについて調査する
リサーチせずに転職することは大きな間違いだ。ひとつの方法として、オンライン学習プラットフォーム「コーセラ」「ユーデミー」「Lynda.com」などで、お金をあまりかけずに受けられる入門講座を探してみるといい。本格的にその業界に進もうと決断したら、より詳しく学べるプログラムの受講を検討しよう。
特定の職業に的を絞ったフェイスブックのグループに入るのも一案だ。自己紹介をしたら、しばらくは様子をみる。そして十分に情報を得たら、積極的に投稿し、情報収集のために話を聞ける人がいないか探してみよう。業界に特化した書籍やブログを読んだり、新しいキャリアに関して話題にしているポッドキャストを聴いたりするだけでも、学べることはたくさんある。
ただし、言うまでもないことだが、その分野で働く人たちと直に話をすることに勝る学習はない。リンクトインで人脈をつくり、その業界で働く少なくとも10人と話をしてみよう。そうすれば、業界の全体像がよく見えてくるだろうし、一貫した傾向に気づくこともできるだろう。
新しいキャリアを試してみる
働く業界を変えるのは大きな決断なので、実際に飛び込む前には、新しい職業を試験的に試してみることをおすすめする。それには、ボランティアとしてやってみるか、ジョブ・シャドウイングをするのがいちばんだ。有給休暇でも病欠でもいいので、いまの仕事を休み、希望する職業に就いている人を観察させてもらって、日常業務の感触をつかんでみよう。
イラストレーターやライターなど、クリエイティブ業界への転職を希望する場合は、仕事を数日間休んで、セミナーやワークショップに参加するのもいいかもしれない。希望するキャリアにもよるが、専門家に相談したり、フリーランサーとして仕事をしたりすることもできる。そうすれば、新しい仕事を直に体験しながら貴重な経験を積むことができる。楽しめる体験となったら、転職するのがずっとラクになるだろう。