「オペレーション・パンゲアXIV」と呼ばれる捜査には、92カ国の当局が参加し、ウェブサイトやオンラインマーケットプレイスを含む約11万3000のウェブリンクを閉鎖または削除した。これは2008年に最初のオペレーションが始動して以来、最大の件数だ。
その結果、世界各地で277人が逮捕され、押収されたニセの医薬品や検査キット、マスク、医療器具などの総額は2300万ドル(約25億円)以上に及んだ。また、押収された900万個の医療器具のうち、ニセモノや未承認の新型コロナウイルスの検査キットが半分以上を占めていた。
「パンデミックの影響で多くの人々がオンライン中心の生活を余儀なくされるなかで、犯罪者はいち早くこれらの新たな『顧客』をターゲットにした。不正な医薬品のオンライン販売は、公共の安全に対する脅威だ」と、インターポール事務局長のユルゲン・ストックは述べている。
英国では、約300万個のニセの医薬品と、総額1300万ドル以上の器具が押収され、その中には抗うつ剤やED治療薬、鎮痛剤、ダイエット薬品などが含まれていた。また、3100以上の無認可医薬品の販売や供給に関する広告リンクが削除され、43のウェブサイトが閉鎖され、7人の犯罪者が逮捕された。
「オペレーション・パンゲアは、この種の犯罪に取り組むための各国間の連携により、何が達成できるかを示す強力な例だ」と、英国医薬品・ヘルスケア製品規制庁(MHRA)の責任者であるアンディ・モーリングは述べている。
一方、イタリアの当局は、50万枚以上のニセの手術用マスクとそれらの製造に使用された35台の産業用機械を押収した。
その他のニセの医薬品としては、睡眠薬や鎮痛剤、筋肉増強剤に加え、除菌剤や抗がん剤、抗マラリア剤、ビタミン剤などが含まれていた。
これらの不正な医薬品は、有効成分の含有量が少なすぎたり、有効期限が改ざんされていたりして、効果を持たない場合があるとインターポールは警告している。インターポールと各国の当局は、今後も協力してこれらの不正な医薬品や検査キットの輸出国を特定し、犯罪者のビジネスモデルを破壊しようとしている。