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アマゾンの倉庫・配送部門については、10年以上前から、健康・安全面での危険性が大きく報じられてきた。2021年4月には、一部の配送ドライバーがペットボトルに排尿せざるを得ないケースがあるという告発が問題になった。アマゾンは当初その事実を否定したが、そのあとに否定は間違いだったと認め、謝罪に追いこまれた。

労働組合連合「ストラテジック・オーガナイジング・センター(The Strategic Organizing Center)」が実施した最新の分析では、アマゾンの倉庫における負傷発生率が競合他社よりも大幅に高いことが明らかになった。調査報告書はその原因について、「速さ」に対する同社の過剰なこだわりにあるとしたうえで、そうしたこだわりは労働者のきわめて大きな犠牲を伴っていると指摘している。

2020年における負傷発生率は、米国アマゾンの倉庫ではフルタイムの従業員100人あたり6.5件だったのに対し、アマゾン以外のすべての倉庫の合計では4.0件だった。2020年におけるアマゾンの負傷発生率は、小売業界最大のライバルであるウォルマートと比べても2倍以上だ。

アマゾン倉庫で働く労働者は、負傷する頻度が業界のどの職場よりも高いだけでなく、重傷を負う率も高い。仕事を完全に休んだり、軽度または限定的な職務についたりする必要が生じるほどの深刻な負傷の発生率は、アマゾン倉庫では労働者100人あたり5.9件にのぼった。この割合は、アマゾン以外の倉庫業界すべてにおける件数(3.3件)と比べて80%近く高い。

さらにこの分析によれば、休業災害に遭ったアマゾン倉庫の労働者は、平均46.3日の休業を余儀なくされている。これは、倉庫業界全体の平均回復期間と比べて1週間、休業災害に遭った労働者の平均と比べると2週間長いという。

ストラテジック・オーガナイジング・センターによる今回の知見は、アマゾンが米労働安全衛生局(OSHA)に毎年報告している、一般倉庫および保管産業に関するデータに基づいている。アマゾンは2020年、自社施設658カ所について傷害および疾病情報を報告している。


米国の倉庫における、フルタイム従業員100人あたりの負傷率*(2020年)



*全ての雇用者データは、2019年の米労働省労働統計局データによる

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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