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2021.06.17 17:00

都内で新感覚の中華料理店が急増中 「東京ディープチャイナ」の味わいかた

新宿歌舞伎町にある譚鴨血老火鍋の火鍋。注文すると、運ばれてくるのが、牛脂やトウガラシ、花椒が敷き詰められた大鍋だ


では、なぜ新宿にこれほど火鍋店が増えたのだろうか?
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「マーラー革命を起こそう!」を合言葉に、これまで累計20万人を動員した麻辣グルメイベント「四川フェス」を主宰する中川正道さんはこう話す。

「日本の激辛ブームにはいくつかの段階がありました。2010年に流行った食べるラー油と2017年のパクチーブームの下地があったからこそ、汁なし担担麺やよだれ鶏に代表される花椒のシビれる味と香りは受け入れられたのだと思います。

2018年には四川料理を食べる活動『マー活』という流行語も生まれ、『日経トレンディ選定ベスト30』のヒット商品として花椒がランクイン。新鮮なシビれ味に強烈な香りをプラスして、辛さや現地感のある味が注目されました。その後、多くの食品メーカーが麻辣味のカップ麺やお菓子を発売。これを支持したのが四川料理好きの愛好家たちでした」
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確かに譚鴨血老火鍋の店内をよく見ると、日本人客もそれなりにいるようだ。同店の中国人店長に聞くと、「以前は日本のお客さんで四川火鍋を食べる人は少なかったのですが、最近は増えています」と、彼自身も驚いているようだった。

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日本語でわかりやすく説明された注文の手順

都内ではザリガニ料理を出す店も


都内に増えているのは火鍋店だけではない。

いまや東京は、中国語圏以外の世界の主要都市の中で最も多彩な中華料理が食べられる環境にあると考えられる。そう断言するのには理由がある。

中国では毎年8月、国内の飲食チェーンのマーケティング力を競う選考会(中国餐饮营销力峰会)がある。

この選考会では、いくつかの食のジャンルに分け、約1000万人のインターネット投票によってノミネートされた飲食チェーンから、マーケティングの専門家やグルメ評論家などによる最終審査を経てトップ10を選ぶ。

興味深いのは、その年にどのようなジャンルが選考会の対象となるかで、いまの中国人がどんな料理を愛好しているか、すなわち中国の外食トレンドがわかることだ。

現地の報道によれば、直近の2020年8月の選考会で対象となったジャンルは「火鍋」「鹵味」「小龍蝦」「酸菜魚」「麺」「快餐」などだった。

選考会の結果を見てみると、火鍋ジャンルのトップ10のうち、すでに4つのチェーン(海底撈火鍋、小龍坎老火鍋、譚鴨血老火鍋、小肥羊)が新宿に出店していることがわかる。

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2020年の中国火鍋トップ10ブランドのランキング。中国餐饮营销力峰会HPより
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文=中村正人 写真=佐藤憲一

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