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大学の「入口」と「中身」、「出口」の見える化


文部科学省は大学教育のあり方として、各大学に以下、3つのポリシーを掲げるよう提言しています。

1.「こういう学生がほしい」と公言し、それにふさわしい学生を選抜する「アドミッションポリシー」

2.大学4年間でどのような教育をするのか?という「カリキュラムポリシー」

3.どういう力をつけた人を卒業させるか?という「ディプロマポリシー」

つまり、大学の入口(選抜)と中身(4年間の教育内容)、そして出口(卒業)の「見える化」です。そして、これに基づいた入学選抜をするために記述式は適しているのです。

各大学、各学部や学科では、500文字や1000文字のものすごく長文の記述式を出題したっていいと思います。本当の意味での記述であれば、中身のあることを訴えることもできるでしょう。文章を起承転結でまとめようとすると600文字でも足りないくらいです。担当の先生は各大学、学部、学科のアドミッションポリシーに基づいて「我々の欲しい生徒はこの人だ!」と思う生徒を超主観的に評価すればいいと思います。

個別試験ではペーパーテストに限らず、面接や実技などを行なうなど、各大学の創意工夫が見られたら望ましいですよね。個々の大学には丁寧な入学者選抜を行なうことが大切ではないでしょうか。

お茶の水女子大学の「新フンボルト入試」


おもしろい入試方法を行なっている大学があります。国立のお茶の水女子大学の「新フンボルト入試」です。「教育と研究は一体である」という理念を掲げていたドイツの学者・フンボルトの名を冠しています。

理系の場合には、実験室で実験を行ない、その結果をレポートにまとめる、というテストが行なわれます。実験を自分でどう見て、自分なりにどう解釈をするのか? 自然科学系の研究者が実際に行なっていることをやってもらうわけです。

文系では、人文科学系の学者の先行研究を学んだうえで、自分の考えを加えてレポートにまとめます。そのために、図書室を開放しその中のどの本を使ってもよしとしています。どちらも正解はないし、客観的な採点なんかできっこありません。どうしても採点者側の主観が入るものだからです。でも、それでいいと思うのです。

試験を通じて、受験生に研究活動をしてもらい、研究する力を養ってもらうという意図があり、とても先行的な試験です。

文=柴田恵理  編集=石井節子

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