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Forbes JAPAN Web編集部

Dcard代表の林裕欽(リン・ユーチン)

4月に日本に上陸した大学生専用SNS、「Dtto」をご存知だろうか。台湾本国では「Dcard」の名で親しまれている。月間のページビュー数は15億にも上り、台湾の大学生の9割が利用しているとも言われる国民的SNSだ。そんなモンスターSNSを開発したのは29歳の若きCEO、林裕欽(リン・ユーチン)。Dcardを開発した当時、彼は19歳の大学生だった。

「この規模に発展するとは全く考えていなかった」と語るが、2019年には蔡英文総統が事業の視察に訪れ、昨年にはForbes Asiaの30 UNDER 30に選出されるなど、いまではアジアを代表する若手起業家の一人だ。彼はこれまでの歩みと今後の展望について、いま何を語るのか──。



「友達作りのため」仲間内のアプリは瞬く間に広まった


Dttoの大きな特徴は、アカウントに付与される情報はニックネームと大学名のみであること。さらにトピックごとのスレッドに各自がコメントを書き込めるだけという、掲示板形式のシンプルなつくりであることだ。トピックは恋愛やグルメ、学生生活などさまざまに分かれているが、人物のタグ付けや位置情報といった機能はない。

共通の話題をもつ人と繋がることができつつ、自らの詳しい情報は公開されることがなく、ある程度のプライベート感が安心感に繋がり、他のSNSとは一線を画している。

Dtto

「Dcard(日本語版ではDtto)の『D』はDestinyの頭文字です。私はすべての人を結びつけるDestiny(運命)という概念が非常に好きです。そしてDttoは『同意する』という意味をもつ『Ditto(英語)とDetto(イタリア語)』に由来しており、このプラットフォームは誰もが共感を得られる場であってほしいという思いを表しています」と林は語る。

アプリには、1日1枚カードを引いて新しい友人と出会える機能もある。コロナ禍でオンライン授業やサークル活動が制限されるなど、友達作りの機会が大幅に減るなかで、新たな交流の場となっている。

Dcardはそもそも、「より多くの友達と知り合える手段が欲しい」という純粋な林の思いから生まれた。

「高校ではクラスメイトとたくさんの思い出を共有し、友人との関係が非常に密でした。しかし大学に入ると自然に友達を作ることが難しくなるだけでなく、他の学校の同年代と出会い、共感し合ったり経験を共有する機会もほとんどありません。

Dcardを開発した当時自分自身が大学生だったため、大学生が何を必要としているのかはよくわかっていました。さらに大学生というグループは、恋愛や就活など共通の話題がたくさんあります。そのため最初は大学生にフォーカスしたサービスを作ることにしました」

8日ほどでプロトタイプを完成させ、当初は友人間のみで使っていた。しかしそのうち自身が通う台湾大学、隣の大学、と徐々に広がっていき、大学を卒業する頃には10万人を超える学生が利用するまでになっていたという。

文=河村優

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