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2021.06.14

レディット元CEO、「ハワイの森林再生」に向け3000万ドルを調達

(C)Terraformation

2017年、気候変動を信じないと公言したドナルド・トランプが大統領に就任したばかりの頃、シリコンバレーのベテラン起業家で、2012年から2014年にかけてレディットのCEOを務めたイーシャン・ウォン(Yishan Wong)は、心配そうに未来を見つめていた。もし、世界が温室効果ガスの排出量を削減できなければ何が起こるのだろう、と。

ウォンは、「森林の再生」がその解決策になると考え、世界の炭酸ガス排出量を相殺するためにどれだけの木が必要なのかを計算した。しかし、PayPalやフェイスブックの初期社員としても有名な彼は結局、何もしなかった。

「私は環境科学者ではないので、自分の計算を信じることができなかった。ただのコンピューターサイエンティストである自分は、黙っているだけだった」

それから4年がたった今、ウォンはハワイの原生林の復元を促進する企業「テラフォーメーション(Terraformation)」の創業者兼CEOを務めている。同社は先日、3000万ドル(約33億円)を調達し、乾燥化した土地を効率的かつ低コストで再生する、ソーラーパネル駆動の海水淡水化システムの開発を加速しようとしている。

ウォンがテラ社の立ち上げに必要な確信を得たのは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校のクラウザー研究室が2019年に発表した論文からだった。同研究所は、世界中でどれだけの土地が森林再生の目的で利用できるか、そして自然に再生された木がどれだけの炭素を取り込むことができるかを調査した。

ウォンは、この論文の計算が自分の計算と一致することに気づいた。同年、彼は家族とハワイに移住し、試験プロジェクトを立ち上げた。ノース・コハラのアコニ・プレ・ハイウェイ沿いにある45エーカーの土地は、2世紀にわたって伐採が行われた結果、原生林が破壊されていた。

「その当時、地元の植物学者は皆、あそこでは何も育たないだろうと言っていた」とウォンは振り返る。乾燥した土地に必要な水を供給するために、テラ社は1日あたり3万4000ガロンの水を生産する、100%ソーラーパワーの淡水化システムを構築した。さらに、6ヶ月の間に、希少種や絶滅危惧種を含む数千本の木を植樹した。
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編集=上田裕資

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