その後、ウォンが初めて投資家に資金調達に向けてのプレゼンを行った時、彼はパワーポイントすら用意していなかったという。「私は計画の概要を説明した記事をMediumに書いただけだった」と彼は話すが、彼は事業を立ち上げるためのシード資金500万ドルの調達に成功した。
Yコンビネータ元社長も支援
その後、2000万ドルの調達を目指していたウォンは、最終的に元Yコンビネータ社長のサム・アルトマンらの主導で3000万ドルの資金調達に成功した。
「イーシャンは大胆なリーダーだ。もっと多くの木を植えれば、この混乱から抜け出せる」と、アルトマンは述べている。
テラ社は、これまでにウガンダやタンザニア、エクアドル、ハイチの団体とパートナーシップを結び、合計2万エーカーの森林を回復することを目指している。しかし、ウォンに影響を与えたチューリッヒ工科大学は、真の変化をもたらすには1兆本もの木が必要だと述べている。さらに、森林を育てて二酸化炭素排出の削減を目指すスタートアップは、他にも数多く存在する。
広告収入の大半を、ブラジルなどでの植林活動に充てている検索エンジン「Ecosia」は先日、企業が1本あたり1ドルのコストで木を植えるのを支援するサービスを開始した。しかし、植物学者は、森林再生活動の管理が悪ければ、悪い影響が生じると指摘する。
「種を撒いておけば大丈夫だと思っている人は、お金を無駄にする」と、森林保護団体Botanic Gardens Conservation Internationalのポール・スミスはフォーブスの取材に述べた。
テラ社が植林しようとしているような木の種子は、めったに手に入らず高価だ。「種を植え付けるだけでなく、木が成熟するまでの管理とそのコストを意識することが重要だ」とウォンは話した。