コロナワクチンと突発性難聴、関係性はないとの米調査結果

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一般市民の間における突発性感音難聴の総合的な年間発生件数は、2013年に耳科学・神経耳科学に関する専門誌「オトロジー・アンド・ニューロトロジー(Otology and Neurotology)」で分析・報告され、著者らは年間10万人中27件の発生を報告した。件数は年齢が上がるごとに顕著に増えており、18歳未満の人の間では10万人中11件だったが、65歳以上の人の間では年間発生件数が10万人中77件まで上昇した。

突発性感音難聴の原因は多岐にわたる。片方、あるいは両方の耳に生じる突発性難聴は、その大部分が原因不明で、「特発性」と呼ばれている。原因として考えられ得るものには、さまざまなウイルスや細菌、腫瘍、血管系の事象、自己免疫疾患などがある。

治療には経口ステロイドの処方が一般的だが、臨床医らは治療に進む前に腫瘍や何らかの細菌感染など他の原因を排除しておく必要がある。難聴の程度や期間、(見つかった場合は)原因など、さまざまな要因が聴力回復の可能性を左右する。

報告される短期的・長期的な問題の両方の観察を続けることが極めて重要だ。非常に多くの人が新型コロナウイルスのワクチンを受ける中、ただ時期的に重なっているだけの事象(時期による偶然)を、ワクチン自体と明確に関係している事象から区別することが重要だ。

医療事象は毎日起きるもので、その頻度はまちまちだ。米人口の半分以上が新型コロナウイルスワクチンの少なくとも1回目を接種した中で、これまで最も顕著な関連性があるものは日々の感染者数や入院の数、集中治療室に入る患者数や死亡者数が激減していることだ。

翻訳・編集=出田静

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