ニューヨーク市クイーンズ区のジャクソンハイツ地区で行われたポップアップ・ワクチン接種会場で、新型コロナワクチンを新たに接種した13歳の子供が絆創膏を見せている(2021年6月5日)(Photo by Scott Heins/Getty Images)

新型コロナウイルスに感染した未成年者に多くみられる多系統炎症性症候群(MIS-C)の発症例は、白人よりも黒人、ラテン系またはヒスパニック系、アジア系に多いことが分かった。

米国でMIS-Cを発症した未成年(21歳未満)の248人ついて、米疾病対策センター(CDC)が収集したデータを人種・年齢別に分析した結果をまとめた論文が、米国医師会雑誌(JAMA)の査読付きオープンアクセスジャーナルに発表された。

研究チームはこの「まれではあるが深刻」なMIS-Cを発症した未成年者について、白人に比べて黒人はおよそ6倍、ラテン系またはヒスパニック系は4倍、アジア・太平洋諸島系は3倍多いとみられることを確認した。

データを調整した上で比較していることから、黒人とラテン系・ヒスパニック系の未成年者にMIS-Cを発症する割合が高いことは、新型コロナウイルスの感染リスクがこれらの人種に特に高いとされていることとの関連性はないという。

また、未成年の感染者全体をみると、新型コロナウイルスがMIS-Cを引き起こす割合は、100万人あたり316人。特に発症する患者の割合が多いのは、10歳未満の小児だったという。

一方、CDCによると、人種別にみた場合、新型コロナウイルスに感染する割合、感染によって入院、死亡する割合は、白人に比べて黒人、ヒスパニック系・ラテン系、アメリカ先住民・アラスカ先住民の方が高くなっている。

その他、新型コロナウイルスの危険性は、全体としては未成年者の方が低くなっている。感染者の入院率は、全年齢でみた場合の割合の13分の1にとどまる。

不明点が多いMIS-C


MIS-Cは、心臓、肺、脳、その他の器官に炎症が起きるもので、新型コロナウイルスが原因とはいえず、「まれではあるが、重篤な合併症」とされている。CDCによると、MIS-Cを発症するのが小児に多い理由は分かっていない。発症した子供はほとんどが回復するが、死に至る場合もある。

米国の大規模総合病院、メイヨークリニックは MIS-Cについて、現時点では不明な点があまりに多いことから、「疾患(病気)」ではなく「症状と徴候(症候群)」に分類されると説明している。 

新たに発表された研究結果では、非白人の方がMIS-Cを発症する可能性が高い理由についての調査は行われていない。だが、研究チームは、「社会・経済的条件、環境条件などが、健康状態を巡る不平等がまん延し、解消されない要因として認識されている」と指摘。生活環境が平等ではないことが、健康状態に影響を及ぼしていることを挙げている。

編集=木内涼子

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