EUで最も電子化進むフィンランド コロナ禍で注目のDXスタートアップ4選

福祉国家フィンランド発スタートアップ(Shutterstock)


バーチャルリアリティーが可能にすること Varjo Technologies


ヘルシンキに本社を置くVarjo Technologiesは、VR/XRハードウェア企業だ。人間の目と同程度の解像度で仮想現実を創出する、ヘッドセットの開発を行う。

高い再現性を実現することで、あらゆる訓練シミュレーションをより簡易に、しかしリアルに行うことができる。例えば医療現場でのシミュレーションをより実際の現場に近い形で体感することは、パフォーマンスの向上にも繋がる。他にも建築物やアウディやボルボといった車の内装デザイン設計の現場でも利用されている。



同社は近年、ボーイングなどの宇宙訓練ミッションの支援も行っているという。バーチャルリアリティー市場で一歩先を行く存在と言えるだろう。

NBAも導入の「スマートリング」 ŌURA RING


スマートウォッチならぬスマートリングが注目を集めている。ŌURA RINGは指輪型のトラッカーで、健康状態や運動量、睡眠時のデータなどを計測する。

指輪の内側に取り付けられた高感度センサーは、他のウェアラブル端末に搭載されているグリーンライトLEDと比べてより正確なデータを計測できるという。さらにウェアラブル端末では唯一、皮膚から直接体温を測る。計測したデータに基づいた最適な睡眠時間や運動量などが、Bluetoothを通じてスマホから見ることができる。防水かつ、厚さわずか2.5mmのため、シーンを問わず装着できるのも魅力だ。

OURA RING
ŌURA RING

昨年1月には、新型コロナウイルス感染症の蔓延を受けて、選手の健康状態をより正確に把握するため、アメリカのプロバスケリーグNBAとWNBAでこのリングが導入された。このニュースで同製品は注目され、昨年TIME誌が選ぶ「2020年のベストインベンション」に選出されている。

4つの事業に共通する、「よりパーソナライズされた」「より透明性ある」といったキーワードは、医療やウェルネス分野でもさらに求められていくだろう。福祉大国を支えるスタートアップがどこまで成長していくか、今後の動向に期待したい。

文=河村優

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