わが子の将来へのヒント? 「医学部合格法」を現役医学生に聞いた

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医学部の入試会場には毎年、日本じゅうの「秀才」たちが集う。険しい受験勉強の道程を歩ききった受験生たちの中から、さらに選ばれし者だけにくぐることが許される。それが大学医学部の門だろう。

その中でも特に狭き門である大阪大学・慶応義塾大学医学部に見事合格した、中原楊氏(慶應大学医学部医学科2年)・増田奈保子氏(大阪大学医学部医学科3年)による「医学部進学を考える中高生のための座談会」が、東大・京大・慶大・阪大の医学生を中心とした次世代イノベーター集団「inochi WAKAZO project」主催により、オンラインで開催された。

彼らはどのようにして最難関医学部入試を突破することができたのか。勉強方法やマインドセットは、そして大学選びは、塾の使い方は。

医療情報サイト「時事メディカル」からの転載で紹介する(当日司会=筑波大学医学群医学類1年 森田帆貴、文=奈良県立医科大学医学部医学科1年中澤有佐)。


※本稿は、「医学部進学を考える中高生のための座談会」の前編である→後編はこちら


高校時代にやっておいた方がいいこと


中原:まず生活習慣や環境を整え、基礎学力向上に力を入れることが大切です。志望校は自分の好み×学校の特徴で選びます。つまり、偏差値・出題傾向との相性など「入れそうかどうか」と、進級の難しさ・研究力など「入りたいかどうか」の二つの基準から、自分の納得のいく選択をしましょう。

課外活動は、時間をとる分、勉強がおろそかになってしまうと思われがちですが、そうでもありません。課外活動は受験に役立つこともありますし、実際そういった活動をしている人たちの多くは受験にも成功していると感じます。

医学部合格を目指す人には、信頼できる先生を見つけて話を聞くことをお薦めします。時間のあるときやモチベーションを上げたいときは、「合格の天使」というブログも役に立つかもしれません。

また、キャリア選択をする際は、「自分で動いて自分に合うか自分で確かめる」ことが大切です。見るだけ聞くだけでは、自分のイメージが合っているのか・自分が何に向いているのかは分かりません。後悔のない選択ができるように自分から動いてみてください。

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増田:できればまず夢や自分がやりたいことを見つけることが大事です。また、夢が見つからなくても、自分は何が好きで何を楽しいと思うかを分析しましょう。そうすることで、自分は将来、何がしたいのかを考えるときにとても役に立ちます。

夢を見つけられた人は、実際に現場に見に行ってみてください。私は高校生の時にさまざまな医療現場の見学に行きました。現場を見ることで実感が湧き、受験勉強の時も、医学部に入ってからも後悔のない選択ができるようになりました。

現場を見るためには、例えば「inochi Gakusei Innovators’ Program(全国の中高・高専生と共に、ヘルスケア課題に三人四脚で挑む課題解決型実践プログラム)」のような医学部生が運営する団体のプログラムやオープンキャンパスなどを利用するとよいと思います。

大学によって在学中に経験できることが異なります。高校生のうちに将来、何をしたいか考えておくことは、大学選びにとても重要です。
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文=中澤有佐(奈良県立医科大学医学部医学科1年) 司会=森田帆貴(筑波大学医学群医学類1年)

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