わが子の将来へのヒント? 「医学部合格法」を現役医学生に聞いた

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医学部を選んだきっかけ


中原:昔から人体に興味があり、合法的に人体解剖ができる唯一の学部として医学部進学を視野に入れていました。

高校1年生の時に「inochi Gakusei Innovators’ Program」に参加し、医療機器に引かれましたが、情報工学にも興味があったので、高校2年の時に「MITOU JUNIOR」というプログラムに参加しました。その後、工学系に進みたいという気持ちが強くなり、海外大学進学を目指して模擬国連に挑戦しましたが、敗退してしまいました。そこで医学を志していた頃の気持ちを思い出し、医学部進学を決意しました。

増田:もともと生物がとても好きで、高校では生物部に所属していました。高校1年生のときに「inochi Gakusei Innovators’ Program」に参加し、医学生など、医学を志している方々との交流が医学部進学を考える大きなきっかけとなりました。

大阪大学に進学した理由としては、西日本で救急が最も強く、自分の将来やりたいこととマッチしていたからです。


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塾と学校の「使い分け」を


中原:高校1・2年生の頃は、授業を除いて一日平均1・2時間勉強していました。そのほとんどは数学・英語に費やし、それ以外の教科は定期試験前の勉強で詰め込みました。高校3年生になってからは、1日の勉強時間は6・7時間に増やしました。

そのざっくりとした内訳としては、得意だった英語は1割、数学5割、理科3割、残り1割という感じです。ケアレスミスは、例えば、自分は掛け算をミスしやすかったりすると、それが具体的に何なのか、例えば2×5なのか、7×9なのかまで、自分のミスパターンを分析・記録し、その傾向を知ることで減らすことができました。

増田:私の通っていた高校は公立高校だったので、中学生の頃から大学受験に向けて勉強している私立中高一貫校の人たちには大きく後れを取っていました。「医学部を目指すのなら、そんな人たちの学力に追いつかないといけないんだ!」と焦った私は、inochi学生プロジェクトの活動が終わった高校1年生の秋頃から、主に通っている塾で受験を見据えた勉強を始めました。

高校の学習進度があまり早くなかったので、塾で先取りをし、学校の授業でその復習をする、というサイクルを取っていました。普段は、実際の第一志望の大学よりワンランク上の大学を第一志望に設定し、塾でもワンランク上のクラスの授業を受けていました。そうすることで、実際の第一志望がより現実的になると思います。

塾では自分に合った先生を見つけ、その先生の考え方を自分の脳内にコピーし、試験中にそれを復元できるようにしていました。勉強をしていてしんどくなってきたときには、自分の中の明確な目的に立ち戻ることが大切です。

「何のために今勉強しているのか?」という問いを自分自身に投げかけ、自分の中で納得する。これができると、モチベーションの維持・向上につながると思います。「私立の賢い人たちがライバルなのだから自分はもっと勉強しなければならない」と思えるような環境に身を置くことも大切です。そういう意味でも塾は大変良い場所でした。



*本稿は、医療情報サイト「時事メディカル」からの転載である。

文=中澤有佐(奈良県立医科大学医学部医学科1年) 司会=森田帆貴(筑波大学医学群医学類1年)

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