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2021.06.24

迫り来る脱炭素化への潮流 三菱商事とKPMGが探る日本エネルギーの「最適解」

左:KPMG FAS 執行役員パートナー エネルギーセクターリーダー/KPMGジャパン オイル&ガスセクター統括パートナー 宮本常雄 右:三菱商事常務執行役員、電力ソリューショングループCEO 中西勝也

世界的な脱炭素化への潮流が加速している。再生可能エネルギー普及で後れを取った日本に活路はあるのか。三菱商事で「電力畑」を歩んできた中西勝也とKPMGジャパンでエネルギー分野をリードする宮本常雄が導き出した「商社だからこそできる新たなエネルギービジネスの形」とは?


宮本常雄(以下、宮本):菅政権は2020年10月に「2050年にカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量をプラスマイナスゼロにすること)を実現する」との目標を掲げました。こうした流れを受けて、長年にわたり世界中でエネルギービジネスを手がけてきた三菱商事は脱炭素社会の実現に向けた取り組みを一層推進されるのではと思っています。

中西勝也(以下、中西)
:2015年にパリ協定(2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み)が締結されたこと、欧州で再生可能エネルギー(再エネ)が定着し、脱炭素化への流れが加速したことを契機に、当社ではエネルギーの世界における歴史的転換点の到来と認識し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを立ち上げました。この取り組みは電力ビジネスだけでなくエネルギー分野の川上から川下にわたるバリューチェーン全体を俯瞰し、次々に手を打っています。

宮本:
そもそも、三菱商事が電力ビジネスに本格的に取り組み始めたのはいまから30年以上も前のことですね。

中西:1980年代に米国から電力自由化の流れが生まれました。当時は、「電力事業は電力会社が行うもの。商社に何ができるのか」といった風潮がありましたが、IPP(独立系発電事業者)ビジネスに参入し、火力発電事業とカリフォルニアの地熱発電事業やハワイの風力発電事業などを手がけました。いま思えば再エネの走りでした。

宮本
:アメリカに続き、2000年代半ばにはアジア、2000年代後半からは欧州に目を向け、再エネ分野にも参入されました。欧州進出のきっかけは何だったのですか。

中西
:欧州では、2000年代前半から環境への意識の高まりもあり、政府による補助金拠出によって再エネバブルが起きていました。その欧州において当社は陸上風力や太陽光ビジネスに参入。しかしながら2008年のリーマン・ショックで補助金抑制となり、当社も痛手を被りました。

宮本:
そうしたなかで、当社もさまざまなサポートをさせていただくようになりました。このころから三菱商事による欧州の洋上風力発電や海底送電事業への投資が活発になったと記憶しています。当時の戦略を教えてください。

中西
:EUは環境問題をテコにして、新たなエネルギー経済システムを構築する意図がありました。また、洋上風力開発には北海油田で培った海洋技術を生かせるという利点もあり、欧州でも注目され始めました。黎明期であり、太陽光や陸上風力よりも、資本力や技術力、マネジメント能力が不可欠で参入障壁が高い洋上風力のほうが、他社と差別化できるのではないかと考えたわけです。そのころにKPMGの皆さんと一緒にプロジェクトに取り組むようになり、どの欧州パートナーと組むのがよいかなどの助言をもらいました。

宮本
:その後、英国の海底送電事業への投資、オランダの電力会社との戦略的提携等、投資を行いましたが、そのころの展開も教えてください。

中西
:パートナー候補をすべて回り、行き着いた先がオランダの電力会社Enecoでした。この提携を機にオランダ、ベルギーでの洋上風力発電への投資を加速、また、海底送電事業では英国に続きドイツでは送電事業者TenneT(テネット)と出会えたことも大きな転機だったと言えます。当社では単なる投資だけではなく最前線の現場に人を送ることで事業環境・今後の展開などを肌で感じ、一歩先の手を打つことが大事だと思っています。


三菱商事常務執行役員、電力ソリューショングループCEO 中西勝也

「ゼロエミッション火力」が要になる


宮本
:脱炭素社会への取り組みとして、三菱商事では再エネに力を注ぐと同時に、燃焼時にCO2を出さないアンモニアや水素の活用に向けた開発も進めています。

中西
:日本は、欧州と異なり再エネに置き換えるには課題が多くあります。2050年の時点で、再エネの比率は全体の5割程度にとどまるでしょう。そこで、残り半分はアンモニアや水素などを燃焼させる、所謂「ゼロエミッション火力」に置き換えていくのだと思います。当社は日本国家のエネルギー安全保障の確保と安定供給に一役買っていると自負していますが、エネルギートランスフォーメーション(EX)の進展をふまえ、あらゆる産業と接点ある商社として全社を挙げたEXへの取り組みを開始しています。

宮本
:国内の電力小売事業については、今後どのような展開を予定していますか。


KPMG FAS 執行役員パートナー エネルギーセクターリーダー/KPMGジャパン オイル&ガスセクター統括パートナー 宮本常雄

中西
:ひとつは、電力以外のサービスをアドオンしていくこと。今年の4月に、中部電力と中部電力ミライズコネクトを立ち上げました。食品系や金融系など当社がもつ業界との接点を生かしながら、電気というインフラを起点にお客様に安心・安全を届けるサービスの構築を検討しています。もうひとつは、コミュニティで電力をつくって助け合う地域マイクログリッドプラットフォーム構想です。今後は需要側も電気の需給をコントロールできるようになります。2020年7月にはNTTアノードエナジーと業務提携し、当社とNTTがもつネットワークを軸にプラットフォームを構築し、そこに再エネとEVや蓄電池を取り込み、最適なエネルギーマネジメント実現への取り組みを加速中です。

宮本
:今後も我々KPMGが御社にとってよきビジネスパートナーであるために必要なことがあれば教えてください。

中西:国内外において的確なアドバイスを頂くためには、グローバルに一丸となったKPMGチームの存在は不可欠ですし、また、KPMGメンバーが当社の組織について熟知し、互いにリスペクトをもった関係性を維持していくことが重要ですね。

KPMGジャパン
home.kpmg/jp


中西勝也(なかにしかつや)◎三菱商事常務執行役員、電力ソリューショングループCEO。三菱商事入社し電力畑を歩み、2019年4月常務執行役員、電力ソリューショングループCEO。三菱商事と中部電力によるオランダの電力会社Eneco買収の立役者。

宮本常雄(みやもとつねお)◎KPMG FAS 執行役員パートナー エネルギーセクターリーダー/KPMGジャパン オイル&ガスセクター統括パートナー。特に近年は電力、ガス業界、大手総合商社のクライアントを中心に、海外投資プロジェクト等の案件に従事。

Promoted by KPMGジャパン | text by Hiro Matsukata | photograph by Munehiro Hoashi (AVGVST)

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