フォーブスの最新「フィンテック50」発表 コロナ禍で業界に追い風

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フォーブスは8日、最も革新的な金融テクノロジー企業50社をまとめた「フィンテック50」リストの2021年版を発表した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を背景に、オンラインの買い物や銀行決済、株式や仮想通貨の取引などの関連サービスを手がける企業が多く選ばれている。

フィンテック50は、米国に本社がある、もしくは米国で相当な規模の事業活動を行っている未公開のスタートアップを対象としてもので、今回で6回目。

フィンテック業界の評価額は高まっており、昨年のリストでは評価額37億ドル(約4100億円)超の企業が10社だったのに対して、今年は50億ドル(約5500億円)超の企業が11社入っている。

今回のリストでは20社が新顔となった。この分野のイノベーションの機が熟していることをうかがわせ、業界にマネーやアイデアが殺到していることの表れと見ることができる。

20社には、ブロックチェーン決済のパクソス(Paxos)、ビットコイン融資のBlockFi(ブロックファイ)などが含まれ、両社とも評価額は20億ドル(約2200億円)を超える。

昨年はリストから漏れていたが今回選ばれた企業には、住宅ローンソフトウェアプラットフォームのブレンド(Blend)などがある。このプラットフォームを使えば、これまで1週間から数カ月かかっていた住宅ローンの申請や引き受け、決済などのプロセスをほぼデジタルで完結でき、時間やコストを節約できる。

また、リストに返り咲いた決済サービスのストライプ(Stripe)は、評価額も昨年の350億ドル(約3兆8000億円)から今年は950億ドル(約10兆円)に膨らんでいる。

フォーブスのジャネット・ノバック編集次長は今回のリストについて、「過去1年、買い物や銀行取引のオンライン化がさらに進むなか、支払い処理やデジタル銀行業務を手がける企業が勝者として浮上してきた」と述べ、パンデミックによるフィンテック業界への影響を如実に示す結果になったとコメントしている。

2021年版のフルリストはhttps://www.forbes.com/fintech/2021/#7d98f1b31a63で公開されている。

編集=江戸伸禎

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