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World Restaurant Awards審査員


No.9|Bar Benfiddich(東京/鹿山博康氏)


1)「Farm to glass」をコンセプトに、自分で育てたハーブなどを使ったカクテルを提供しています。実家が農家ということもあり、バーテンダーの技術以外に植物などを育てる技術と土壌を持っており、市場で流通していないものも、自分で育て、唯一無二の素材を使ったカクテルを作ることができるのが強みです。

草の根、木の皮など、植物の古来からの使われ方の歴史書を紐解いて現代において新しくカクテルを作っています。その他にも、薬草酒の古酒や、スタンダードカクテルも人気です。



2)看板のない15席だけの店なので、ここでカクテルを飲むために来てくださるお客様がほとんどです。1人や2人という少人数でいらっしゃる方が多いです。年齢層は30代〜40代前半がメインですが、ここ数年は20代の若いお客様も来て頂いており、新しい楽しみ方を求める方が増えてるような気がします。

3)コロナ禍でバーテンダーには考える時間がたっぷりあったので、皆さんがそれぞれに新しい道を切り拓き新しい挑戦をしていると思います。僕も長らく店を閉めたことで、畑で新しい気づきを得ました。また、今まで気にも留めなかった雑草や草木について勉強したことで、現代ではあまり使われない植物も、江戸時代またはそれ以前には使われていたものも多数あると知り、自然林に自生している野草なども扱えるバーテンダーになりました。

ただ、新しいムーブメントや取り組みは起こっても、「人対人」という本質的なバーテンダーとお客様との信頼関係の世界は変わらないと思っています。

No.8|No Sleep Club(シンガポール/ジュアン・イジュン氏)




1)ノー スリープ クラブは、カテゴリーに縛られず志を同じくする人々が集まり、おいしい食事を囲んでアイデアを生み出すための場所です。料理を手がけるのは、デビッド・マイヤー氏のレストラン「アドリフト」のエグゼクティブ シェフだったピーター・スミット氏。モダンにアレンジしたカクテルやクリエイティブなハイボール、ナチュラルワインに調和する食材で、シンプルな料理を提供しています。

90年代のヒップホップが流れる店内で、誰もがおいしい料理、おいしい飲み物、楽しい時間を過ごせるように、すべての障壁を取り除き、地元の人へアプローチするコンセプトです。

2)コンセプトは、朝8時30分から深夜まで、カクテルはもちろん、コーヒーや食事も楽しめる場所。人と人とのコミュニケーションを促進するために小さなテーブルにしています。電源付きなので、日中はミーティングなどで活用する人も多いです。夕方になり照明が落ち、音楽がかかると、そのままくつろぎながらディナーとカクテルを楽しむ、という使い方をされています。

3)間違いなく変わってきていると思います。ボトル入りカクテルは定番となり、今いるお客様に来続けてもらうために、ホスピタリティにより注力しています。立ち飲みはソーシャル・ディスタンスの観点から許されないなど多くのルールがありますが、安全性とのバランスをとりながら、ゲストが幸せに過ごせるように配慮しています。時短営業でバーの閉店時間が早まったので、お酒を飲みに別の場所に行くよりも、料理とお酒を同時に楽しめる場所を訪れるようになっていると思います。

文=仲山 今日子

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