コロナがきっかけで走り始めたランナー。走る面白さは「自分越え」にあり


曲作りのアイデアはランニング中に


一柳さんは大の音楽好きで、バンド活動をするミュージシャンとしての顔もある。

走るときはどんな曲を聴いているのだろうか。



「意外に思われるかもしれませんが、走るときはあえて音楽は聴かないんですよね。というのも、無音の状態で走っているほうが、ふっとフレーズが浮かんでくるんですよ。

新しい曲のアイデアが生まれるんです。それこそ、今日走った林試の森公園を駆け抜けていると、頭の中のクリエイティブなところがどんどん刺激されるような気がしています。

同じコースでも、日によって気温や光の具合、自分の体調も違うので、そのときどきでさまざまなアイデアが出てきますし、仕事に関してもそう。

自社のアパレルブランドの企画が思い付くこともあります。だから走るときはなるべくひとりで、イヤホンはせずに走るようにしています」

ちなみに走ることを習慣化する前は、自転車通勤の時間がアイデアの源泉になっていたのだそう。

適度な有酸素運動がクリエイティビティを刺激するというのは、実はそれを裏付ける研究論文が発表されているほど。確かな根拠が、ちゃんとあるのだ。



「ゆくゆくはトライアスロンをやってみたいんですよね。メッセンジャーをしていたので自転車には乗れますし、昔から海で泳ぐのが好きなんですよ。

コロナが落ち着いて大会が開催されるようになったら、マラソンより、そっちに興味があります」

病は気からというように、フィジカルが整い、上向けば、メンタル面にも間違いなく好影響がある。

ストレスフリーな日常とインスピレーションを刺激するためなら、走ってみてもいいのでは? ただし、そのときはくれぐれもケア&リカバリーまでをセットで。

そのうえで余裕があれば、その道のプロに定期的にケアしてもらうこともご検討あれ。



RUNNER’S FILE 36
氏名:一柳 聡
年齢:40歳(1980年生まれ)
仕事:アパレルメーカー プレス
走る頻度:週5日(平日の朝)、約10km
記録:レースへの参加はとくになし

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「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ“人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。

(この記事はOCEANSより転載しています)

取材・文=礒村真介(100miler) 写真=小澤達也

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