経済・社会

2021.06.09 06:00

中国で強まるキリスト教徒迫害、「再教育」の新たな対象か

北京の宣武門天主堂(Zyra Lee Zhang / Shutterstock.com)

北京の宣武門天主堂(Zyra Lee Zhang / Shutterstock.com)

ラジオ・フリー・アジア(Radio Free Asia)は2021年4月、「中国当局がキリスト教徒を拘束して、移動式の秘密『矯正』施設に収容し、信仰を放棄させている」と報じた。
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この報道によれば、「四川省南西部にあるキリスト教徒の『家庭教会(house church:政府の認可を受けずに運営されているキリスト教集会)』に属するあるメンバーは、2018年に教会が強制捜査を受けたあと、10カ月にわたってある施設に拘束されたと語った。中国共産党の統一戦線工作部と国家安全部が共同運営するその施設は移動式で、なんらかの建物の地下に設営されるようになっており、いくつかの政府機関の職員が常駐していた」という。

この男性は、「窓のない部屋に10カ月近く監禁された。その間、職員から殴打され、罵倒され、『精神的拷問』を受けた末に、壁に頭を打ちつける自傷行為に及ぶようになった」。男性によると、「彼らは実に卑劣な手を使う。脅迫し、侮辱し、萎縮させる」

こうしたやり方は、新疆ウイグル自治区の強制収容所に収容されたウイグル人たちの証言と同様に見える。ただし中国政府は依然として、こうした扱いの存在について強く否定している。
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今回の疑惑はまだ詳しく調査されていないものの、中国でさまざまな宗教団体に対する弾圧が強まっている証拠はますます増えている。最近の報告によると、中国ではウイグル人が、殺害や拷問、虐待、レイプ、性暴力、強制労働、強制中絶、強制不妊手術などの被害に遭っている。また、法輪功メンバーが強制的に臓器を摘出されたとの報告もある。そして、キリスト教徒もさまざまな差別や迫害を受けている。信者たちの訴えによれば、教会の閉鎖、聖書のオンライン販売禁止、十字架の撤去、司祭や信者の逮捕が頻発している。聖書をより「文化的に許容」できるものに「適合させる」計画や、キリスト教の教えのなかに、社会主義の中核的価値観を盛り込む計画があるという報告もある。

迫害を受けるキリスト教徒を支援する国際NGO「オープン・ドアーズ」は2021年1月13日、キリスト教徒が最も深刻な迫害を受けている50カ国についての年次評価書「ワールド・ウォッチリスト」を発表した。このなかで、中国は10年ぶりにトップ20に名指しされた。キリスト教徒やその他の宗教的マイノリティに対する監視や検閲の強化が続いていることが理由だ。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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