コロナ禍から社会が学んだ3つの大きな教訓

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言うまでもないが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックからは、学ぶべきことがたくさん存在する。そうした経験から十分に学び、将来社会が同様の規模で惨禍に襲われたときに対応できる体制を整えておきたいものだ。

以下に、非常に重要な教訓についていくつかまとめてみた。

医療インフラの重要性


1年ほど前、医療システムは目を覆うようなありさまとなった。謎のウイルスに見舞われ、多数の死亡者が出ても、なすすべがなかった。

社会は、これまで経験したことのないような物資不足に陥り、個人用防護具(PPE)や医療品、病床、医薬品、食料に水など、さまざまなものが手に入りにくくなった。火葬場を確保することも難しいほどだった。要するに、どうしようもない状況に追い込まれたのだ。

さらに、そのほぼ9カ月後には、急ピッチで開発が進められた新型コロナワクチンをどうやって人々に配布するかという新たな課題が生じた。

多くの国では、ワクチン配布のために軍隊を動員した。また、ワクチン接種状況の把握や接触者の追跡を行う新しいデジタルプラットフォームの開発が必要になった。経験豊富な政策専門家の力を借りて、地方政府と連邦政府の権限を調整することも迫られた。

残念ながら、多くの政府がいまだに、そういった課題に悪戦苦闘している。パンデミックはまさに、社会の重大な欠点を浮き彫りにし、サプライチェーン計画と災害管理の重要性に焦点を当てた。

テクノロジーの役割と限界


接触者の追跡とデジタルプラットフォームに関連することだが、パンデミックは、テクノロジーが医療において計り知れないほど重要な役割を担っていることも浮き彫りにした。今回のことで生じた重要な変化のひとつは、臨床医学が遠隔医療プラットフォームにすばやく順応するよう迫られたことだった。

市場調査会社ザ・ビジネス・リサーチ・カンパニー(The Business Research Company)が発表した報告書によれば、「世界の遠隔医療市場は、2019年の498億9000万ドル規模から、2023年には1940億5000万ドルと、40.4%もの驚異的な成長を遂げる見込み」だという。

遠隔医療企業にとっては、大いに必要とされるサービスを迅速に提供する、絶好の機会が訪れた。心地よく安全な自宅で医師の診察を受けられる遠隔医療が求められたのだ。

テクノロジーは他のかたちでも活用されており、デジタル・ワクチン・パスポートや、感染者との接触追跡に加えて、最近ではワクチン配布プロセスにビッグデータが利用されている。パンデミックによって、医療においてテクノロジーがどれほど重要な役割を担っているかが再認識された。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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