欧州のフードデリバリー市場では近年、さまざまな大手企業やスタートアップが新たなビジネスモデルを拡大しようとしており、同社のダークキッチンはその最新の事例と言える。
調査企業ユーロモニターは、デリバリーに特化したメニューを用意する、顧客とダイレクトな接点を持たないダークキッチンの市場が、1兆ドル規模に成長すると予測している。今回のCurbの資金調達は、Point72 Venturesが主導し、既存出資元のEQT Venturesも参加した。前回の調達額は320万ユーロだった。
CurbのCEOのCarl Tengbergは、「フードデリバリーの成長を目の当たりにし、私たちは、テクノロジーがこの分野にもたらす破壊的な効果に興奮している」と述べている。
「私たちのチームは過去12ヵ月間、需要に対応できるビジネスモデルを確立するために、限界を押し広げようとしてきたが、その目標に近づきつつある」
スウェーデンで生まれたCurbは、昨年末にデンマークに進出した。
「昨年12月時点で、我々のキッチンは1つだけだったが、現在はスウェーデンとデンマークの2つの市場で4つのキッチンを展開し、さらに多くの拠点を準備している。今回の資金調達により、スカンジナビア以外の市場にも進出するとともに、母国でのポジションを強化していく」と、Tengbergは述べている。
Curbは今回の資金を用いて、新たなプロダクトの開発や、データを活用したキッチンの効率化に投資する予定という。今回の彼らの資金調達は、ダークキッチンに対する投資家の関心が高まっている中で行われたもので、競合のTasterが4月に3700万ドルの資金調達を実施したのに続くものだ。
Point72 VenturesのマネージングパートナーであるSri Chandrasekarは、今回のCurbへの出資について「我々は、テクノロジーが今後10年間でレストラン業界を変革すると信じている」と述べた。
「データの活用により、ロケーションの選定からサプライチェーンやメニューの設計まで、すべてを最適化し、顧客体験を向上させることができる。我々はCurb のビジョンに共感しており、彼らにはフードテックの未来を形にするパワーがあると信じている」と、Chandrasekarは語った。