・かつて船乗りを導いた星はいま、5つの行動を導く指標となり輝いています。この行動は、食料安全保障、持続可能な雇用、クライメート・レジリエンス、正義、希望をもたらす鍵となります。
・5つの行動とは、有害な漁業補助金への対処、「30x30」目標、公海での法律違反の撲滅、海洋と気候の関係の重視、3つの新たな海洋保護区の設定です。
・これらの行動を実践することで、不公平で破壊的な収奪状態から、誰ひとり取り残さない、健全で公平、豊かな海へと、運命を一変させるきっかけを作ることができます。
今年は、お気に入りの海岸へ行けないかもしれないと誰もがあきらめている状況ですが、海がより豊かな実りをもたらす年になる希望がまだ残されています。地球を守り、私たちの生活に変化をもたらす画期的な機会が次々と生まれているのです。船乗りは、星に導かれて航海を続けてきましたが、いま、星は5つの行動を導く指標となり輝いています。本稿で取り上げる5つの行動を実践することで、食料安全保障、持続可能な雇用、クライメート・レジリエンス、正義、希望がもたらされるのです。
第1の行動は、乱獲を煽り、IUU漁業(違法・無報告・無規制に行われている漁業)を可能にする、有害な漁業補助金をいまこそ撤廃するということです。
現在、魚介資源を乱獲し、数百億ドルにのぼる市民の収入を奪い、数十億の市民に仕事と糧を与える地域漁業の弱体化をもたらす結果となる220億ドル超の公的資金が毎年投入されています。富裕国は自国の漁船に補助金を支給し、数千マイル沖の魚介類を乱獲させています。これはIUU漁業と人権侵害への関連を立証するものです。IUU漁業は持続可能でなく、不経済、不法であるため、根絶させなければなりません。
深刻な不正行為の根絶が急がれるのは、金銭のためだけでなく、この動画が示すように、人々の命と暮らしがかかっているためです。海岸部や島しょ部のコミュニティに暮らす人々は、動物性タンパク質の80%を魚から摂取しています。また、小規模漁業従事者は世界で1億2000万人にのぼり、そのほぼ半数が女性ですが、漁業補助金が最終的に撤廃された場合、最も恩恵を受けるのはこれらの人々です。
漁業補助金撤廃まであと一歩というところに私たちはきています。